成田空港、新トラック待機場で混雑解消へ
成田国際空港会社(NAA、本社・千葉県成田市、田村明比古社長)は、4月に成田空港内で新たなトラック待機場を開設する。同時に、事前予約によりトラックの貨物地区への入構を効率化する「トラックドックマネジメントシステム」も導入。「2024年問題」を1年後に控え、トラックドライバーの待機時間短縮などに貢献していく。
成田空港の貨物地区には、輸出入航空貨物の搬出入で多くのトラックが出入りする。とくに月末や期末などの繁忙時期や、時間帯別では火~金曜日の午後から夕方にかけてと土曜日の早朝帯には、トラックが渋滞して車列が発生することもあったという。また、コロナ禍で関西国際空港や中部国際空港の国際便が減少し、成田空港への一極集中が進んだことから長距離輸送のトラックが増え、貨物地区での混雑がさらに増えた。
今回、NAAが開設する新トラック待機場は北側貨物地区付近に立地し、大型トラック61台が駐車可能。同時に紙ベースで運用されていた受付業務をデジタル化し、「トラックドックマネジメントシステム」として導入する。同システムは、事前予約時に必要な情報をスマートフォンやタブレット端末で入力。トラックが待機場に到着後、専用カメラが車番を読み込むことで受け付けが完了し、貨物上屋での受け入れ準備が整い次第、順次呼び出しを行う。
こうした取り組みは、ドライバーの待機時間の短縮につながり、「2024年問題」の対策の一助になることが期待されている一方、貨物上屋側の業務効率化にも寄与するという。上屋ではこれまで、トラックの正確な到着時間が分からないために受付に常時人員を配置しておく必要があったほか、手書きによる書面のやり取りのため、時間がかかっていた。また、順番待ちをしているトラックの車列の中に、急ぎの貨物を載せたトラックがいる場合、スタッフが誘導や交通整理などを行う必要があった。
貨物施設の新設などが進む成田空港だが、トラック動線の効率化などによる生産性向上にも期待が集まっている。
(2023年3月16日号)