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安田倉庫、スワップボディコンテナ輸送で実証実験

2022.07.19

安田倉庫(本社・東京都港区、藤井信行社長)は13日、子会社の安田運輸、業務提携先である中央倉庫(本社・京都市下京区、木村正和社長)とともに、日本トレクス(本社・愛知県豊川市、高崎文弘社長)、フジトランスポート(本社・奈良県奈良市、松岡弘晃社長)と共同で、国内初の冷蔵温度帯でのスワップボディコンテナ輸送の実証実験を6月に実施したと発表した。

実証実験は、日本トレクスの「スワップ冷凍フラットパネルバンボデー」を活用し、安田倉庫の守屋町営業所、コネクトエリア浜松、中央倉庫の京都PDセンターを中継場所として、同コンテナを交換しながら中継輸送を行ったもの。コンテナは、シャーシを切り離しての冷凍機運転が可能であり、冷蔵温度帯での中継輸送を実施している。

実証実験では、同コンテナを活用し、GDP(医薬品の適正流通基準)に準拠した温度マッピングで安田運輸横浜営業所から茨木営業所までの冷蔵温度帯での中継輸送を実施。同コンテナは、冷凍・冷蔵機能のみならず温調機能も有しており、25℃~マイナス25℃の範囲での庫内温度が実現可能で、冬期や寒冷地といった低温度環境下における設定温度帯での輸送も行える。

安田倉庫では中期経営計画の中で、「メディカル物流拠点の拡充と体制の強化」や「国内外の輸配送ネットワークの拡充」を掲げており、同コンテナの活用をメディカル輸送における新たなソリューションとして昇華させることを目指しており、今後も引き続き関係各社の協力を得ながら実用化を目指し、実証実験を継続する予定。

安田倉庫グループはこれまで、エコシップマーク優良事業者認定や「ホワイト物流」推進運動への参加などにより、運送課題解決の取り組みを行ってきたが、「今後も引き続き、お客様へさらに付加価値の高いソリューションを提供する一方、社会課題への取り組みのため、パートナー企業様との協創も含めたDX推進を一層加速させる」としている。

スワップボディコンテナ車両は、車体と荷台を分離することができ、分離中に荷役作業の実施が可能。待機時間減少による残業時間の削減や中継輸送による日帰り運行の実現、荷役分離の効果による女性ドライバー活用や労務環境改善による定着率の向上などの効果も見込める。

荷役分離によりドライバーが輸送業務に集中できるため、輸送品質の向上や輸送の安全が確保にもつながる。

中継輸送はトラックの走行距離や待機時間のアイドリングが削減されCO2排出量を抑える効果が見込まれており、サステナビリティの観点からも導入促進が期待されているが、冷凍・冷蔵輸送が可能なスワップボディコンテナは、諸外国には存在するものの国内にはなかった。
(2022年7月19日号)


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