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【ズームアップ】「2024年問題」、6割の企業で影響

2022.07.05

パーソルホールディングス(本社・東京都港区、和田孝雄社長CEO)は6月29日、トラック運転手の時間外労働規制が罰則付きで適用される「2024年問題」に関する実態調査の結果を公表した。運輸業・郵便業のほか、卸売業・小売業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業などの企業で働く人も対象に行ったもので、自社および取引先などで「事業への影響がある」との回答が6割を占めた。一方、対応策に「取り組めていない」の割合も7割にのぼった。

「運輸業・郵便業」以外の認知率は5割以下

「2024年問題」について「認知している」のは全体の49・5%で、認知度は半数に満たなかった。企業規模別に見ると、「超大手企業」は認知度がやや高く、「認知している」割合は54・2%で、企業規模が小さくなるにつれ認知度が低くなった。「知らない・わからない」との回答も50・5%あった。

業種別に見ると、「2024年問題」の影響を直接受けやすい「運輸業・郵便業」は「認知している」が59・8%と6割。うち「知っていて、十分に内容を理解できている」人は19・6%と他業種よりかなり高い。一方、間接的に影響を受けるその他の業種では認知率が50%以下となった。

事業への影響として「自社も取引先も影響を受ける」と答えた人が全体の50・0%、「自社のみ影響を受ける」「取引先のみ影響を受ける」とあわせて、60・2%が何らかの影響があると回答した。企業規模別に見ると、企業規模が大きいほど「影響あり」と捉える割合が高く、超大手は63・2%、中小は55・0%だった。

課題の1位は「対応のためのコスト」

「2024年問題」で発生すると考えられる課題について、1位は「対応のためのコスト増」(36・9%)、2位は「人材不足」(30・7%)、3位は「サービス・商品の値上げ」(23・0%)であった。以下、「売上・利益の減少、規模縮小」(19・4%)、「社員の離職」(9・7%)、「社員の給与減」(9・1%)が続く。

業種別に見ると「運輸業・郵便業」がどの課題に対しても最も割合が高く、とりわけ「人材不足」の回答が最も多く48・6%。他の業種を見ると「人材不足」と「対応のためのコスト増」が共通して上位だった。卸売業・小売業では「サービス・商品の値上げ」が2位に挙げられ、今後商品価格へ影響なども懸念される。

「2024年問題」の取り組み状況としては「あまり取り組めていない」「全く取り組めていない」の合計が70・6%で、「取り組めている」割合を大いに上回った。企業規模別に見ると、超大手企業は「十分に取り組めている」「一部取り組めている」の合計が45・8%であるのに対し、中小企業は15・0%にとどまり、差があることがうかがえる。

取り組みができていない理由としては「社内の課題認識があまり無い」(19・4%)、「推進する人材が社内にいない」(15・0%)が上位。企業規模別に見ると、超大手企業は「制度の見直しに時間がかかる」という理由も上位で、大手・中堅企業や中小企業は「何から対応すればいいかわからない」も一定数あった。
(2022年7月5日号)


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