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菓子・食玩物流プラットフォームを構築=バンダイロジパル/ロジパルエクスプレス

2022.03.10

バンダイロジパル(本社・東京都葛飾区、弓野理恵社長)とロジパルエクスプレス(同)は、バンダイナムコグループ向けに温度管理が必要な菓子・食玩物流のプラットフォームの構築を推進する。保冷車と保冷庫を投入し、全国を中継輸送で結ぶ独自の幹線ネットワークの対象を拡大。保冷車については、2022年度から3年間で大幅に増車する計画だ。現在、バンダイキャンディ事業部と、19年11月にバンダイナムコグループ入りしたハート(本社・東京都墨田区、杉崎晋哉社長)の物流を受託しており、将来的には、両社の在庫拠点の統合や物流共同化も目指す。

6ヵ所のDCに保冷庫、自社で保冷車投入

ロジパルでは、玩具や景品、AM(アミューズメント機器)など常温物流の分野では、自社で届けきる」体制を目指し、全国幹線輸送とエリア配送のネットワークを構築。3年前から、バンダイナムコグループで菓子、食玩、食品事業を手掛けるキャンディ事業部の物流を担う一環で、温度管理物流のネットワーク構築も進めている。

キャンディ事業部が扱う商品は季節(保冷期間は4月~10月)によって温度管理が必要な商材もあり、札幌、仙台、川崎、名古屋、大阪、福岡の6ヵ所のDCに保冷庫を設置。在庫移動の保冷車を確保しにくくなっていたことから、自社で保冷車両を投入。現在、全国の営業所で計19台(大型7台、4t12台)を運用している。

バンダイナムコのグループとなったハートは、ファンシートイ、ポケット菓子、季節催事菓子などの企画・製造・販売を手掛け、季節催事菓子ではクリスマスの食品部門(菓子部門)で全国シェアトップ。物流面ではコスト削減と季節波動の平準化に加え、保冷が必要な商品の拡大に伴い温度管理物流対応も課題としていた。

キャンディ事業部とハートの物流統合も視野

グループの物流機能を担うロジパルでは、海外と国内の物流支援および改善提案を行うため、ハートの物流を受託。生産から発送までの情報を一元管理し、最適な物流を提案するため、昨年4月、四国の営業所を坂出市からハートの事業所(工場・倉庫)がある松山市に移転し、「松山営業所」として開設した。

現在、出荷拠点は松山1ヵ所で、協力工場で製造した商品も松山にいったん移送して出荷している。おもに大手路線会社を活用しているが、出荷が集中するクリスマス前のシーズンにはトラックの確保が困難。そこで昨年12月には季節催事菓子について、大阪のDCに在庫を分散し、第1弾となる出荷の平準化を図った。

今後、関東の拠点への在庫の分散も検討するとともに、キャンディ事業部で構築した配送網をハートでも活用し、同一のDCを活用した納品先への共同配送も視野に入れている。温度管理物流の拡充に向け、保冷車については22~24年度にかけて毎年8台、計24台を増車する計画で、自社車両の増備計画における保冷車の比率も存在感が増す。

なお、温度管理物流の品質や社内での知識の向上にも努める。保冷車にはデジタコにより温度履歴管理を行うとともに、保冷庫では温度モニタリングを自動化。すべての温度センサーの状態を常時アプリで確認し、設定した閾値でアラートメールとアラート電話発報により温度異常に事前に対応。従業員向けに倉庫、配送の統一マニュアルも整備した。

ロジパルエクスプレスの曽根真吾取締役は、「温度管理が必要な商品は、常温の製品以上に取り扱いには最新の注意が必要で、従業員教育にも力を入れる。まずはグループ向けにプラットフォームを構築し、将来的には、グループ外でも同じような温度帯の貨物を取り込んでいきたい」と話している。
(2022年3月10日号)


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