日本通運/通運事業実績、21年度コンテナ取扱量は5%減
日本通運(本社・東京都千代田区、齋藤充社長)は2月24日、2021年度の通運事業の概況に関する記者会見をオンラインで開催した。鉄道コンテナ取扱個数(12ftコンテナ換算)は前年同期比5・4%減の107万4187個となった。新規需要の掘り起こしを図り、ほぼ年度を通じて拡販キャンペーンを実施し、多数の新規顧客を獲得。一方、世界的な半導体不足による自動車工場の操業停止や生産数量の減少とともに、8月に発生した大雨によって生じた山陽線の不通が大きく響き、事業全体では取扱量が落ち込んだ。
会見に出席したロジスティクス・ネットワーク事業本部通運部長の髙橋啓氏は、21年度の取り組みを振り返り、「新型コロナウイルスによる売上高への影響を抑えるため、コスト削減に重点を置き、鉄道コンテナのオペレーション管理を徹底した」と説明。具体的には自社車両を最大限活用しながら集配効率を高め、利益率向上を図った。併せて、従来は外部委託していたオペレーションの内製化を推進。22年度もさらなる利益改善を目指し、取り組みを継続していく考え。
今後の通運部門の成長に向けて重点施策として、①売上高の拡大②コストコントロールおよび生産性の向上③標準化とデジタル化④品質・安全の確保とコンプライアンスの遵守――の4項目を提示。加えて、通運事業の強靭化を実現するため、災害発生時の全社的バックアップ体制の構築に取り組む。髙橋氏は「現在その一環として、災害発生時の迅速な代替輸送を可能とするスキーム構築に着手している」と明かした。また、鉄道輸送と海上輸送を複合させた「Sea&Rail」サービスの拡販を進め、BCP対応を推進していく。
(2022年3月1日号)