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燃料高騰で「経営危機突破総決起大会」=全ト協など

2021.12.07

全日本トラック協会(全ト協、坂本克己会長)、全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連、川鍋一朗会長)、日本バス協会(清水一郎会長)の自動車運送業界3団体は2日、原油価格上昇に伴う燃料価格高騰への対策を求め、「燃料価格高騰経営危機突破総決起大会」を開催した。午前の大会は自民党本部(東京都千代田区)で開催し、自民党から国会議員が参加。午後からは場所を第一ホテル東京(東京都港区)に移し、公明党の国会議員が参加した。大会開催に際し、挨拶に立った全ト協の坂本会長は「燃料価格の高騰により国民生活と経済を支えるエッセンシャルワーカーである運送業界は非常な危機に見舞われている。直面する経営危機への対策が早急に必要であり、国による十分な補助金と、恒常的な支援制度の創設が不可欠だ」と訴えた。

それを受け自民党トラック輸送振興議員連盟顧問の塩谷立衆議院議員は「石油価格の高騰に見舞われ、運送業界は大きな打撃を受けている。この危機を何とかして突破することが最重要だ。11月19日に決定した政府の経済対策や今年度補正予算を活用し、対策にしっかりと取り組んでいく」と強調。その上で「燃料費高騰分を運賃に転嫁することが不可欠であり、そのためには改正貨物自動車運送事業法が定めている標準的な運賃制度と荷主への働きかけを通じて、荷主の理解を醸成していくことが不可欠だ。われわれも法制度が適切に運用されるようしっかりと求めていく」と表明した。

対策要望の決議を満場一致で採択

大会では広く社会に運送業界の苦境を訴え、国に対策を求める決議を行うことを決定。全タク連の川鍋会長が「経営危機を速やかに打開するために、国として可能なすべての対策を緊急に対応していただきたい。地域経済と国民生活を支える公共輸送サービスを安定的に維持していくため、対策の実現を期す」と訴え、決議案を読み上げた。

決議では「燃料高騰分の価格転嫁のための対策の実施」「軽油引取税、ガソリン税、石油ガス税等燃料税制対策の実施」「燃料費負担の軽減に資する補助支援制度の創設」「供給量の増加によるエネルギー価格低廉化方策の実施」「高速道路料金のさらなる割引の拡充」の5項目を提示。万雷の拍手とともに満場一致で決議した。

次いで京都大学教授の藤井聡氏が運送業界に向けたスピーチを行い、事業者を激励。締めくくりに日本バス協会の清水会長がリーダーとなり、業界一丸となって決議を訴えるとともに、経営危機の乗り越えを祈念し、「ガンバローコール」を会場全員で唱和した。

来賓として石油連盟、全国石油業共済協同組合連合会、自動車工業会、日本自動車販売協会連合会など石油・自動車関連の団体や、労組から日本労働組合総連合会(連合)、経済団体から日本商工会議所、全国商工会連合会などが出席。そのほか国土交通省の幹部も多数参加した。

午後からは場所を移し、公明党の国会議員が参加する形で大会を開催。公明党トラック議員懇話会・同バス振興議員懇話会会長の北側一雄衆議院議員が挨拶し、「エッセンシャルワーカーである交通運輸事業者の力なくして日本の経済は立ち行かない。燃油高騰対策にしっかりと取り組んでいく」と表明。その後、改めて全員でガンバローコールを行い、経営危機対策を訴えた。
(2021年12月7日号)


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