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【航空輸送】主要空港、各種インセンティブで貨物便誘致

2017.04.04

わが国主要空港における2017年の国際線貨物便夏ダイヤは、成田国際空港が16年夏ダイヤから増減なしの週475便、関西国際空港は2便の増便した週134便、中部国際空港は2便減便の週26便となった。各空港では貨物便の就航に向けてインセンティブ制度も充実させており、エアラインの誘致合戦が加速している。

成田空港は16年夏ダイヤに週6便を運航していたエア・インチョンと、週4便を運航していたマレーシア航空の貨物便が撤退。全日本空輸が週93便から85便へと大きく減らしたほか、アシアナ航空は週6便から4便へ、UPSは46便から44便へ減便した。一方で、アトラス航空が新規就航して週8便を運航。また、フェデックスが週84便から86便へ、ルフトハンザカーゴも週12便から14便、ポーラエアカーゴも週42便から44便へ各2便を増便した。

関西空港は香港航空と全日本空輸が週2便、エバー航空とチャイナエアラインが週1便を減らしたが、中国貨運航空が週3便、中国国際貨運航空が週2便、フェデックスが週1便を増やしたことで、全体として増便となった。中部空港は週2便を就航していたアシアナ航空の貨物便が撤退した。

各空港ではエアラインの誘致に向けてインセンティブ制度を設置しており、成田空港では既存の「成田ハブ化促進インセンティブ」に加えて、今月から「成田空港マーケティングインセンティブ」を新たに導入。19年3月末までの2年間実施する。「航空会社による旅客や貨物量の維持・増加に向けたマーケティングやプロモーション、利便性向上策の活動費をする」との考え方で、貨物分野については国際線取扱貨物量に応じて、「取扱貨物量に対する単価(取扱単価)」を1t当たり100円、「増加貨物量に対する単価(増加単価)」を1t当たり200円補助する。

関西空港では旅客・貨物便ともに今年10月から国際線着陸料の値下げ幅を拡大。現在は1t当たり2300円の着陸料から310円を値引きした1990円だが、さらに90円値引きして1t当たり1900円とする。また、1時~5時59分に着陸する定期便の着陸料を50%割り引く「深夜早朝割引」や、航空会社ごとに期間単位で集計した対象重量の対前年同期比増加分に対し、初年度は80%、2年目は50%、4年目は30%の着陸料割引を行う「増量割引」も継続する。

中部空港も昨年4月から新たなインセンティブ制度を開始し、国際線・国内線の旅客、貨物定期便を対象とした「増量割引制度」と「国際線多頻度運航割引制度」、「大型機材割引制度」を導入。貨物便に対する「国際線貨物拠点化割引制度」の適用期間も「適用期間中のみ」から「適用期間中の新規就航、増便、大型化から3年間」へと見直した。これらの施策で、既存路線の増便・大型化や中部空港を拠点とする航空会社の誘致・定着を促す。

(2017年4月4日号)


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