〝大都市+地方〟での開発で特色=大和ハウス 浦川常務会見
大和ハウス工業の浦川竜哉取締役常務執行役員建築事業推進部長(写真)は10日、「DPL横浜港北Ⅰ」着工にあたって記者会見し、今後の戦略について語った。同社はこのほど第6次中期経営計画(2019~21年度)の事業施設事業における不動産開発投資計画を当初の3500億円から6500億円に引き上げ、物流施設の開発強化を図ると発表した。
浦川氏は、投資計画の拡充の背景として、「予想以上に投資が順調に進み、よい物件を仕入れることができた。このため、今回増加した3000億円には今後の新規の土地の購入費用は含んでおらず、すでに入手した土地の建物費用に投入する予定」と説明。「年々、1件あたりの投資金額が増加傾向にあり、1物件あたり建築費が100~400億円となり、大型物件が増えると投資額が跳ね上がる」と語った。
安定的かつ成長が見込める物流不動産への投資がさらに注目されていることについて、「この5年間、REIT(不動産投資信託)のアセットを見ても、伸びているのは物流とホテルだけだった。コロナの影響でホテルが大変な状況になり、この5年間、さらにはこれからの伸びを考えると、消去法で物流が伸びていく。金融から見てもお金の行先が物流に集中し、国内外の金融機関、年金など外資も含めて日本の物流に入ってくる。プレイヤーも増え、開発競争も激化している」と指摘。
大和ハウスの戦略として、大都市圏プラス地方での開発を挙げ、「3大都市圏における好立地での開発はもちろん継続し、他社と違うのは、地方での開発。新規の物流施設の供給がなかったところに何十年かぶりに最新鋭の物流施設ができ、顕在化していなかった需要が一気に噴き出してきているという実感がある」と強調。地方創生や雇用創出につながる、物流施設と生産施設の一体的な開発や、冷凍冷蔵施設(温度帯物流施設)の施工請負で培ったゼネコンとしてのノウハウも強みとして挙げた。
(2020年7月16日号)