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ムロオ、タクシー事業者と労務シェア

2020.06.04

チルド物流大手のムロオ(本社・広島県呉市、山下俊一郎社長)は、新型コロナウイルスの感染拡大による需要の増減に対応するため、タクシー業界とのドライバーの労務シェアを行っている。旅客需要の減少で収入が激減しているタクシードライバーが〝副業〟の形でムロオの食品配送業務に従事しているもの。

ムロオが今回、労務シェアを行ったのはタクシー・ハイヤー・観光バス事業を展開する日の丸リムジングループ。同グループには従業員が約700人いるが、コロナショックの影響で旅客需要が激減しており、ドライバーは歩合制による給与の減少で厳しい状況を強いられている。

一方、ムロオは外食や業務用食品の物量は落ち込んでいるものの、スーパーや食品メーカーの物流を担っている事業所は物量が大幅に増えており、現場の人員不足が生じていた。
そこで、両社は3月末に最初の会合を開き、従業員の合理的な救済が目的であるため、派遣型ではなく、副業やWワークの形態で従業員の自由度を重視した手法で進めることで合意。両社ともWワークについての内規の制約があったことから、緊急事態に対応する趣旨から内規を変更。ムロオからいくつかの働き方のパターンを提示した上で、日の丸リムジングループが社内で従業員に紹介し、興味を示した従業員をムロオが面接するやり方で進めた。

その結果、5月初旬には11人がWワークとしてムロオの事業所(写真はムロオの物流センター)に就業し、5月中旬現在、順調に食品物流の業務に携わっている。
ムロオでは今後も、同様のケースがあれば積極的に就業の場を提供することを検討していくとしている。
(2020年6月4日号)


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