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ラストワンマイル協組が大阪へ事業拡大、組合員募集

2019.06.06

関東で宅配サービスを提供するラストワンマイル協同組合(志村直純理事長)は今秋をメドに大阪府へ事業を拡大する。同地域での組合員募集を開始し、今月25日には事業者に向けた説明会を開催する。さらに、来年には愛知県でも同様の組合員募集を行い、サービスエリアを広げる。また、関東では中・大型商品や長尺物、重量品の保管・配送サービスもスタートさせ、宅配料金の値上げに苦慮する通販会社の要請に、エリアとサービスの拡充で応える。

来年夏をメドに愛知県への拡大も予定

ラストワンマイル協同組合は現在、関東1都5県の中小運送会社25社で組織し、同地域への宅配サービスを展開。これらの地域以外の配送は業務提携するコラボデリバリー(本社・東京都中央区、有冨慶二社長)に委託し、同社に出資する特積み会社のネットワークで全国に届けられる。一方、荷主企業の出荷拠点や配達先住所は「主要6都市(東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県、千葉県)が圧倒的に多い」(志村理事長)としてエリア拡大を検討。今回、まずは大阪への展開に着手し、来年夏をメドに愛知県にも広げる計画だ。

大阪での組合立上げにより、大阪、神戸などから関東1都5県への配送や、大阪府内の配達が可能になる。関東~大阪間の運賃は「関東域内の配送料金に幹線運賃として1個当たり120円程上乗せすれば運べるだろう」と志村氏は話す。大阪府域内の配送については、関東と同じ料金体系とする予定。

大阪府での事業説明会は6月25日14時~17時に大阪市北区の会議スペース「ユーズ・ツウ」(梅田2‐1‐18富士ビル)で開催。参加企業の条件では、宅配サービス事業の経験は問わず、「府内に事業所を持つ配送会社で健全な会社であれば可能。下請けからの脱却を目指す同業の皆さんに、この機会をぜひ活用してほしい」と呼びかける。

大物配送料金は業界平均の半額程度

これに合わせて、今月1日にはツーマンでの配送が必要となる、中・大型商品および長尺物、重量品の配達サービスもリリース。大手宅配会社の配達サービスは160~170㎝サイズを上限としており、それ以上の商品などは運送会社から敬遠されがちで、運賃も上昇傾向にある。そこで、出荷頻度の高い主力商品を組合が用意する倉庫に在庫し、同所から発送するスキームを採用することで配達効率を高め、運賃の低価格化とリードタイムの短縮を実現。「一般的な中・大型配送の半額程度の料金で運べる」と志村氏は自信を示す。

倉庫は今月1日から「立川共同倉庫(仮称)」(1万3240㎡)の募集を開始し、来年9月ごろには「千葉流山共同倉庫(仮称)」(4万㎡)でも利用を募る。1社当たりの利用可能スペースは200~500坪を想定。同事業の本格展開は20年を予定する。配送は基本的に玄関口までとなり、組み立て・設置についてはオプションサービス。既存取引があれば倉庫からの直送にも応じるという。

他方で、配達日・時間帯指定は標準サービスとする。一般的な大物配送は配達日の直前に配達時間帯に関する連絡が入ることが多いが、時間帯指定へのニーズは根強い上、運賃も安価に済むとあって「通販会社の売上拡大につながるサービス」と志村氏は強調する。

まずは関東で開始し、ネットワークの拡大に伴い、将来的には大阪や愛知でも中・大型商品に対応する考え。ただ、倉庫や配送キャパシティには限りがある上、取引先の配送オーダーに対して受注制限を行わないことを基本方針としており、「中・大型商品配送を受託できるのは大口のお客様で30~50社程度を想定ではないか」(志村氏)という。
(2019年6月6日)


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