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共同物流が首都圏物流センターを本格稼働

2019.05.16

共同印刷グループの共同物流(本社・埼玉県越谷市、新島貞次社長)はGW明けの7日から、埼玉県越谷市の「首都圏物流センター(写真)」を本格稼働させた。同センターは、共同印刷の越谷工場を再開発したもので、3月28日に竣工した。グループ各社の梱包、輸送、保管などの物流業務を手掛ける共同物流の本社を移転させたほか、既存の「浦和物流加工センター」を集約し、グループの中核物流拠点として早期の売上高100億円の達成を目指す考えだ。

高レベルのセキュリティ基準を導入

再開発工事では共同印刷の印刷工場と流通加工や保管、輸送などの業務を行う共同物流の倉庫棟を同じ敷地内に建設。敷地面積は1万7651㎡、工場を除いた延床面積は1万1621㎡(事務所、作業所含む)、倉庫面積は8766㎡の鉄骨造・地上2階建て。倉庫棟には最新の貨物用EV2基(積載量3・5t)や垂直搬送機2基(うち1基はカゴ車7台を直接搬出入可能)を導入し、上下階間を迅速に移動できる体制を構築したほか、移動ラック4基、クライミングレベラー1基を設置した。

同センターはセキュリティ設備を多数取り入れたのが最大の特長で、敷地内および1階と2階の倉庫棟に数十台のモニターカメラを設置したほか、カードキーによる入退室管理システムを数十ヵ所で採用した。より厳密な情報管理が求められる作業所やクリーンルームには、従業員の出入りの履歴を記録管理するシートシャッターを導入する予定だという。新島社長は「セキュリティには万全な体制を整えている。付加価値の高い首都圏物流センターの特長を最大限に活かし、貴重品やセキュリティ性の高い商品の取り扱いを増やしていきたい」と抱負を語る。

また、1階のトラックバースには18台のトラックが同時に着床できるため、敷地内や近隣での渋滞緩和への寄与が期待される。さらに、雨天対応の大型庇を約2222㎡分設置した。今井啓輔輸送本部長は「東南側の庇は最長で28mある。大型車両でも雨天時に貨物が濡れる心配がないため、飲料・食品等の首都圏エリア向け配送の積み替え作業をスムーズに行える。今後は、同センターをハブ拠点とし、輸配送業務をさらに拡大していく」と方針を語る。

このほか、同センターでは、既存の紙媒体の製品のほかに、2階に化粧品と医薬部外品の保管・包装などの流通加工業務を行うスペース(面積約314㎡)を確保した。現在は、クリーンルーム前室の設置工事などを進めており、今年10月に操業を開始する予定だ。

関東圏の輸送拠点を強化し、さらなる外販獲得を目指す

首都圏物流センターは東京外環自動車道の「草加IC」から約10分、東北自動車道「浦和IC」からも至近に位置。都心をはじめとした関東圏全域へのアクセス利便性が高い立地となっているため、来年開催される東京五輪関連の需要が見込まれる。現在は、複数の企業より輸配送基地としての引き合いも受けているという。
同社では、「首都圏物流センター」と「東京物流センター」(埼玉県和光市)、「越生物流センター」(埼玉県越生町)の3センターと首都圏の共同印刷工場内に輸送拠点を構えている。

今後は、首都圏物流センターの本格稼働に合わせて東京および越生の物流センターと神奈川県や千葉・茨城県などの各輸送拠点の機能整備と拡大再編を進めていく考えだ。具体的には、「東京物流センター」では物流加工を中心に事業を展開していたが、都心や関東西側エリア向けの輸送業務の拠点機能を拡充し、首都圏物流センターと連携して事業の拡大を目指していく。

経営企画部部長兼越谷開設準備室室長の梅垣雅義氏は「従来のインフラで外販を獲得してきたが、『首都圏物流センター』とそのほかの物流拠点を連携させることで、さらなる外販獲得を強化させていく」と説明する。

また、首都圏物流センターと東京物流センターの一部を無在庫スルー輸配送センターとして活用し、紙媒体の積み合わせや食品・飲料、雑貨、輸入品といった外販貨物の輸配送拠点として運営していく方針。

新島社長は「外販の獲得を経営戦略の中心に位置づけ、関東圏でのビジネス拡大を足掛かりに、早期の売上高100億円の達成と共同印刷グループの連結業績に貢献し、グループ事業を支える会社に成長させたい」と意気込みを語る。
(2019年5月16日号)


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