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ダイキン工業がメガ拠点開設、配送機能を集約

2018.10.30

ダイキン工業(本社・大阪市北区、十河政則社長)では、物流拠点機能の再編を進める。地域の分散拠点を集約し、横持ちやトラックドライバーの複数箇所での積み込みをなくし、拘束時間を短縮。また、量販店の物流センターにダイキンの製品を在庫する「量販店専用センター」を設置することで、一次輸送の削減やピーク時の出荷の平準化につなげる。一連の取り組みは、関西、名古屋で先行的に着手しており、首都圏への拡大も目指す。

横持ちや複数箇所での積み込みを削減

関西の量販店向けに3ヵ所の「量販店専用センター」を開設したのに続き、在阪の複数拠点に分散していた配送機能を大阪市住之江区の「メガ拠点」に集約。2020年度を目標年度とする戦略経営計画「FUSION20」の物流政策である「運ばない物流」や、今後の共同物流を見据えた販売チャネル別物流フローの再構築の第一歩となる。

ダイキンの製品は、夏季の出荷ピーク時や四半期末に物量が集中する。物量が多いため、従来は複数の拠点で商品を保管しており、配送のトラックがオーダーごとに複数の拠点を回って商品の積み込みを行わなければならず、ドライバーの拘束時間が長くなってしまうという課題があった。

これらの課題に対応するため、第1弾として、関西でまず「量販店専用センター」を立ち上げ、量販店の物流センターにダイキンの製品を在庫することで、倉庫内で販売完了し、倉庫内の移動のみとなる“輸送レス”“待機レス”を実現。これに続き、在阪の複数の外部倉庫を「メガ拠点」に集約し、運営物流会社への委託業務範囲も拡大した。

第2弾として、名古屋地区でも今年の夏季シーズン前に、愛知県小牧市の自社倉庫と外部倉庫の拠点再編を実施し、5月に名古屋版の「量販店専用センター」を稼働。月末出荷の集中を緩和し、供給の平準化によりトラックを手配しやすくした。今後はこれらの取り組みを首都圏に拡大することを検討していく。

生地幹物流本部長は「メガ拠点開設により横持ちや複数拠点での積み下ろし削減とともに、一部販売店との積合せ出荷など共同物流も開始している。一連の拠点変更では、自社のアセットにこだわることなく、取引先への業務委託範囲の拡大やゲインシェアリングなど3PLを進化させた考え方を導入している」と報告。

今後、草加(埼玉)、小牧、志免(福岡)の自社倉庫の老朽化が進んでいることもあり、建て替えやリロケーションなど自社資産有効活用の観点も入れて多面的に検討。それに合わせて拠点機能を共同保管、共同配送のほか、販売チャネルごとに求められる多様な物流サービスを提供するプラットフォームへ進化させる。
(2018年10月30日号)


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