【交通マネジメント】東京都が五輪でTDM、今夏から荷主へ働きかけ
東京都は2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会に関し、道路の交通マネジメント(TDM)を実施するため、今夏から企業や荷主に勤務時間や配達変更などを直接働きかけていく方針を固めた。平日の15%程度の交通量削減により“休日並み”とし、全体の10%程度の交通量の抑制に加え、部分的にさらなる分散・抑制を図る。
10日に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と東京都オリンピック・パラリンピック準備局の共催で第2回交通輸送技術検討会が開かれ、「東京2020大会の交通マネジメントに関する提言(中間のまとめ)案」を公表した。
同検討会では大会関係者および観客の安全で円滑な輸送と、物流を含めた都市活動の安定の両立を図るための施策を検討。大会時に交通対策を行わない場合、首都高の渋滞は現況の2倍近く悪化することが想定され、TDMが不可欠とされた。
物流に関しては、臨海部の港湾物流、競技会場周辺の都市内物流に注目。今後、業種や品目などを分析し、大会期間中に増える物流(大会関連物流や観光客増に伴う物流など)やTDMで工夫を依頼する物流などを区分けしていく。
17年度末までにTDM全体行動プランを策定。試行を通じた入念な準備を行うとともに、協力企業(リーディングカンパニー)を限定して、順次対象を拡大。勤務時間や配達方法、個人の消費行動(eコマース)の変更など働きかけを都内から全国に向け展開する。
なお、ロンドン五輪では、営業が少ない倉庫等からの出発や始業時間の変更、配達・集荷時間の変更等の行動変化があった。ただ、東京商工会議所が行った企業アンケートによると、TDMへの協力要請があった場合に「対応・検討が可能」は36・4%。業種別にみると、運輸業が27・8%と最も低かった。
(2018年1月18日号)