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Gメンの荷主対策が1000件突破=国交省

2024.10.17

国土交通省の「トラックGメン」による荷主・元請への働きかけなどの件数が、創設から1年で1000件を突破した。トラックGメンは昨年7月21日に全国162人体制で発足し、悪質な荷主や元請事業者に対する監視や是正指導などを実施している。1年が経過した8月末の時点で、荷主・元請に対する是正指導の「働きかけ」や「要請」・「勧告」の累計件数が1002件となった。実施内容別では、「働きかけ」が825件(荷主548件、元請255件)、「要請」が175件(荷主89件、元請81件)、社名公表を伴う「勧告」が2件(荷主1件、元請1件)だった。11月と12月はトラックGメンによる「集中監視月間」が実施され、昨年に続き「勧告」が出されるかも注目される。

違反原因行為の半数は「長時間の荷待ち」

是正指導を行った主な違反原因行為の内訳をみると「長時間の荷待ち」が最も多く、全体の52%と半数を占めていた。次いで多かったのは「契約にない附帯業務」で17%と2割近くで、以下「運賃・料金の不当な据え置き」が14%、「無理な運送依頼」が8%、「過積載運行の指示・容認」が6%、「異常気象時の運送依頼」が3%と続いた。

食品、飲料、日用品で違反行為目立つ

国交省が昨年9~10月に全トラック事業者を対象に行ったアンケート調査によると、違反原因行為を行っている疑いのある荷主は、発荷主・元請だけでなく着荷主も含まれていた。内訳は、発荷主が47%、元請が28%、着荷主が24%だった。回答があった違反原因に係る輸送品目は、食品が最も多く全体の20%を占めており、次いで飲料品(13%)、日用品(11%)、農産品(8%)、金属・金属製品(8%)、建材(8%)、電気・機械・精密機器(6%)と並んだ。

また、今年4~8月に地方運輸局のトラックGメンが運送事業者に対して電話などで情報収集を行った際は、違反原因行為を行っている疑いのある荷主などの内訳は、発荷主が37%、元請が25%、着荷主が25%、そのほか倉庫業者などが13%だった。違反原因行為に係る輸送品目については、食品が36%と最も多く、次いで日用品(9%)、農産品・肥料・飼料(9%)、飲料品(8%)、建材(7%)、紙・パルプ(6%)などが挙げられていた。全体的な傾向は昨年9~10月の調査と同様で、依然として食品が最も多かった。

「荷主等パトロール」を全国2000ヵ所で実施

トラックGメンは電話・対面による事業者へのヒアリングをはじめ、運輸局の「相談窓口」や国交省HPに設置された情報提供の「目安箱」による情報収集を行っている。加えて、荷主の事務所や物流拠点に対して積極的に「荷主等パトロール」を実施し、Gメン制度が発足した昨年7月から今年8月22日までの間、全国約2000ヵ所でパトロールを行った。荷主・元請に対し、違反原因行為の防止を呼びかけるとともに、荷待ち状況の実態を確認。また、運賃交渉への誠意を持った対応を要請し、要請を受けた荷主・元請の改善状況を確認している。そのほか、運輸局が開催する「2024年問題」に係るオンライン説明会への参加を呼びかけることで、違反原因行為の周知や、Gメンが働きかける前の自発的改善を促している。
(2024年10月17日号)


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