【トラック輸送】石井国交大臣がスワップボディ車両を視察
石井啓一国土交通大臣は4日、ニトリホールディングスの物流子会社ホームロジスティクス(本社・札幌市北区、松浦学社長)の通販発送センター(川崎市川崎区東扇島)を視察した。
同社では、主に拠点間輸送にスワップボディコンテナ車両を活用している他、同センターでは効率化・省力化のため、日本で初めて導入した次世代ロボットストレージシステム「AUTO STORE(オートストア)」を稼働している。今回、石井国交大臣は、スワップボディコンテナ車両とロボット倉庫の運用状況を見学し、説明を受けた。
スワップボディコンテナ車両は、トラック本体(ボディとシャーシ)と荷台部分の箱が脱着できる機能を持つ車両。納品先や集荷先で、箱だけを残して積み降ろしなど荷役作業を別の作業者が行えるため「運行」と「荷役」の分離が可能となる。また、けん引免許を必要とせず大型免許で運転できるため、乗務可能なドライバーの幅が広がる。
石井国交大臣は「スワップボディコンテナ車両が運行と荷役を分離できるのは、輸送全体の効率化を高めることに資するものだと認識している。とくに女性ドライバーにとっては、体力的に負担の大きな荷役作業を分離し、運転業務に専念することができるという利点もある」と述べ、「来年度予算の概算要求において、スワップボディコンテナ車両導入への補助を新規で盛り込んだが、物流効率化へ向けた大変有効な手段であるため、予算獲得に向けて対応していく」と表明した。
ホームロジスティクスでは現在、主に関東DC(埼玉県白岡市)と川崎DC(川崎市川崎区)の2拠点間輸送で同車両を活用している。それにより、ドライバーの手待ち時間解消を実現し、ドライバー1人当たりの輸送効率が約1・5倍に改善された。
ロボット倉庫「オートストア」は積み木型自動倉庫で、ロボットが商品を作業場に自動搬送する機能がある。作業者はピッキング業務のため歩く必要がなく定位置で作業が可能となり、出庫に要する時間を短縮できる。また、作業の定点化による省力化と効率化による季節変動の吸収も可能とした。
石井国交大臣は「オートストア」について、「新技術を導入し、倉庫業務の大幅な効率化に取り組んでいる事例を目の当たりにした」と述べ、「人手不足が続くなか、労働生産性を高めていくためにも、新技術を活用した取り組みは不可欠なものだ。こうした物流生産性向上の取り組みに対して、しっかりと支援を進めていきたい」と意欲を語った。
なお、スワップボディコンテナ車両は、ヘッド1台にコンテナ3個が1セットとなっている。現在同社では4セットを導入しているが、需要を見極めながら、今年度中に増強を図る考え。
(2017年9月7日号)