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三菱食品、トラックの空きスペースをシェアリング

2023.09.12

三菱食品(本社・東京都文京区、京谷裕社長)は5日、トラックの空きスペースをメーカーとシェアリングするサービス「trucXing(トラクシング)」の提供を開始したと発表した。三菱食品の独自ネットワークを活用し、商流を問わず納品業務を代行。三菱食品が納品に利用している運送事業者のトラックの空きスペースを活用することで、積載率向上につなげるとともに、メーカーの輸送力不足の解消を支援する。現在、関東域内、関東~甲信越間、関東~東北間、関東・甲信越~中部間を対象にサービスを展開しており、順次エリアを拡大する。

三菱食品では1日あたり約7600台のトラックを利用して納品を行っているが、荷物の小口化や多頻度納品の影響でトラックの荷室に空きスペースが生じており、積載率の向上が課題となっている。一方、ドライバーの人手不足や高齢化を背景に、トラックの調達に苦慮するメーカーは増えている。

そこで、三菱食品を中核としたトラック輸送ネットワークの空きスペースを活用し、パレット単位の納品業務を利用運送の形態で代行する「余積シェアリングサービス」を昨年度に関東圏で開始。現在、運送事業者との相互協力により複数の納品業務を代行。今年度からはチャーター便をメニューに加え、対象エリアも順次拡大している。

正式なサービスとして立ち上げ、ウェブサイトを開設し、「トラック輸送を現在進行形でトランスフォームしたい」という思いを込め、サービス名を「トラクシング」に変更。三菱食品を介した取引となり、メーカー、運送事業者ともに登録料・情報提供料は無料となっている。

パレット単位での納品を基本とし、在庫拠点への横持ちや卸・小売専用センターへの納品業務を対象に三菱食品が代行。チルドは関東圏内を中心に広範に対応可能で、フローズンも一部取り扱う。ニーズのヒアリングや条件交渉、契約、運用開始後のトラブル対応、運賃決済までを三菱食品が対応。荷主は輸送力を確保し、安全な取引を行えるほか、運送事業者にとっては積載を最適化でき、パレット単位の取引のため荷役や運賃精算の負荷を軽減できる。

三菱食品では、人手不足への対応およびCO2排出量の削減などサステナビリティの実現に向けて、輸配送データを蓄積・活用することで、積載率の向上および車両効率の最適化に向けた取り組みを進めている。今回の取り組みもその一環で、「輸配送データと空きスペースを活用することで、持続可能な食のサプライチェーンを構築するとともに、物流の社会課題を解決する」としている。
(2023年9月12日号)


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