日本鉄鋼連盟、鋼材物流の「24年問題」対応を発表
日本鉄鋼連盟(北野嘉久会長)は7月25日、鋼材物流における「2024年問題」への対応について取り組み内容を発表した。政府の「物流革新に向けた政策パッケージ」、行政の「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を踏まえ、鉄鋼製品の安定供給に資するサプライチェーンを将来にわたり持続可能なものとするため、納入条件の緩和やトラック受渡条件におけるルールの再徹底などに取り組む。
日本鉄鋼連盟によると、鋼材物流は「特殊な輸送実態(積荷・輸送形態等)」「多種多様なサプライチェーン」「特定のユーザー様の拠点への継続的な納入が多い」といった固有の特徴がある。鉄鋼業界としても、製品の持続的な安定供給を維持する観点から「2024年問題」への対応を図るもので、実施にあたっては、発・着荷主間での連携がポイントとなることから、ユーザー団体の加盟企業への周知と対応を要請した。
具体的には、納入条件の緩和に関する取り組みとして、製品輸送オーダータイミングを、製品到着期限の2日前から5~7日前に前倒しするなど、前広なオーダータイミングへの見直しを行い、これにより配車リードタイムを確保する。また、「朝一納入」のように特定の時間ピンポイントでの時間指定を、「午前中」と幅を持たせるなど納入時間の柔軟化・緩和を行い、受入準備を踏まえた時間でのオーダーを出すなど、荷役・荷卸し待ち時間の抑制を図る。また、小ロット・複数輸送を一括輸送にまとめるなど納入ロットの拡大によるトラック積載率の向上を推進する。
鋼材の荷卸作業は受入側で実施する作業であることを規定した、トラック受渡条件におけるルール「トラック持込乗渡(コード:35)」の再徹底を図る。「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に則ったさらなる附帯作業および荷待ち・荷役時間の削減を目指す。従来からの商慣行の見直し等に関する取り組みでは、納入タイミングで融通が利くものについて、配車に余裕があるタイミングで納入したり、月末の集中輸送指示を分散化するなど出荷量の平準化を図る。このほか、荷待ち時間が長く発生する場合には、荷卸し能力による制限など個々の理由を洗い出し、発着荷主の対話のもとで対応方法を検討する。
(2023年8月1日号)