異業種7社が幹線中継輸送の実証開始=デンソー/アスクル/タカラスタンダードなど
デンソー(本社・愛知県刈谷市、林新之助社長)、アスクル(本社・東京都江東区、吉岡晃社長)、エレコム(本社・大阪市中央区、柴田幸生社長)、タカラスタンダード(本社・大阪市城東区、渡辺岳夫社長)、三井倉庫ロジスティクス(本社・東京都中央区、鳥井宏社社長)、安田運輸(本社・横浜市神奈川区、井上薫社長)、大和ハウス工業(本社・大阪市北区、芳井敬一社長)は、荷物を積載する荷台(コンテナ)部分を脱着できるスワップボディコンテナを用いた幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験を10日から14日まで、静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点とし、関東・関西間で実施する。今回の実証では、ドライバーが行う輸送作業と荷物の積み降ろしなどの荷役作業を切り分け、荷主が荷役作業を行う「荷役分離」や、異業種による複数の荷物を同じコンテナに積載する「混載輸送」も行う。
「SLOC」は、荷物を積載する荷台(コンテナ)部分が脱着できるスワップボディコンテナ車両を活用するとともに、QRコードを使ったコンテナ管理システムを導入することで、複数の荷主と複数の運送業者によって荷物を運ぶ新しい輸送形態。
スワップボディコンテナ車両を用いることで、中継地点でコンテナを分離し、指定されたコンテナに載せ替えて目的地に輸送することができる。トラックの乗り換えや荷物の積み降ろしがないため、トラック同士が待ち合わせる必要がなく、柔軟な運行スケジュールを立案でき、長距離運行を日帰り運行にすることが可能。また、コンテナを分離できるという特長を活かし、荷主が荷物の積み降ろしを行う「荷役分離」や、異なる荷主が同じコンテナに荷物を積載する「混載輸送」も容易となる。日帰り運行や荷役分離が実現することにより、若手・女性・高齢者など様々なドライバーの活躍も期待できる。
今回の実証ではドライバーの労働環境改善と輸送効率向上を目指し、「スケジュール通りに運行できるか」「ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行われるか」など、社会実装に向けた課題を抽出する。具体的には、①1日6便(関西発3便/日、関東発3便/日)を運行し、事前に合意したスケジュール通りに運行できるかの検証②中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーが間違えずに脱着できるオペレーションの確認と課題の検証③スマートフォンとQRコードを活用したコンテナ管理システムの利便性確認④複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担や責任区分の確認と課題の検証――を予定している。
参加企業として、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクスは荷主として参加。安田運輸は荷主としての参加に加え、混載作業を担う。大和ハウスは中継地点としてマルチテナント物流施設「DPL坂戸Ⅱ」を提供。運行スケジュール立案など実証実験取りまとめなどのコーディネーターをデンソーが担当する。なお、アートバンライン、遠州トラック、高伸物流、トランコム、フジトランスポート、優輪商事が協力運送会社として参加する。
(2023年7月11日号)