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「2024年問題」を変革のチャンスに=アサヒロジ

2023.02.28

アサヒロジ(本社・東京都墨田区、児玉徹夫社長)は17日、協力会社の経営者に向けた懇談会をWEB方式で開催した。2023年の経営方針では、トラックドライバーの労働時間規制強化による「物流の2024年問題」の克服を図るため、「実車率・積載率・ドライバー実働率」を掛け合わせた運行効率を向上させることで〝持続可能で競争力のある物流〟の構築を図る方針を示した。また、22年度(1~12月)の業績を報告。売上高は前年度比44億円増(4・8%増)の964億円となり、アサヒロジとして06年の設立以来、過去最高の売上高となった。アサヒグループの物流がコロナ禍から回復したことや、一般の外販貨物事業の拡大が寄与した。内訳はグループ物流が631億円(構成比65・5%)、一般外販333億円(構成比34・5%)だった。

「実車率×積載率×実働率」を総合的に高める

児玉社長(写真)は「目前に迫った『2024年問題』を変革のチャンスだと捉える。そのチャンスを活かし、サステイナブルかつ競争力のある物流戦略を策定する」と述べた。具体的には「運行効率=実車率×積載率×ドライバー実働率」とする評価軸を設定した上で、総合的に運行効率の引き上げに取り組む。その際は動態管理システムを活用して運行データを把握するとともに、社内の各システムのデータ連携などを通じて運行実績の可視化を図る。協力運送会社の車両の相互活用や荷物の相互提供による運行効率を向上にも取り組む。すでに賛同した協力会社との取り組みを順次開始している。幹線輸送では全国の拠点を活用した中継輸送の実証テストを行っており、今後の本格運用を目指す。

また、事業会社のアサヒ飲料やアサヒビールと連携し、グループの拠点間輸送では事前オーダーの3日後(D3)~7日後(D7)の輸送にシフトするなど、時期的集中を避けて車両運行を行えるようにする。さらに余裕のある配車・運行を活用することで、グループ貨物と外販貨物の共同輸配送によるシナジー創出スキームを構築し、より高い運行効率を実現していく。

アサヒグループの物流企画・管理機能を集約

22年度は組織変更も実施した。児玉社長は「物流戦略の立案と実行力の強化を図るため、ワンアサヒの方針のもと、アサヒグループの物流企画・管理機能を当社に集約した。その上で各種業務について標準化・単純化・システム化を進め、業務多能化を加速する」と表明。22年度に実施した組織変更は、①システム統括部の新設②グループ企画管理部の新設③営業部門の強化――の3点。このうち新設したグループ企画管理部は、従来グループの国内事業会社が個々に行ってきた物流企画と管理業務をアサヒロジに集約し、グループ各社横断の物流スキームの構築や、グループ物流と外販物流のシナジーを最大化することが狙い。営業部門の強化は、本社の営業部門と営業企画部門の人員を倍増した。全員営業の方針で営業活動の拡大を図っていくが、大きな目標としたのが外販事業の拡大。グループ貨物の輸配送と外販事業のシナジー効果を高めることで、外販の売上高を伸ばしていく考えだ。
(2023年2月28日号)


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