メニュー

SSX、「厚木航空営業所」を移転・新設

2021.01.26

セイノースーパーエクスプレス(SSX、本社・東京都江東区、増田敦社長)は、顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)の向上に向け、拠点の移転・新設・建て替えを急ピッチで進めている。物流オペレーションの効率化と施設老朽化に伴う労働環境の改善を目的に、「厚木航空営業所」(神奈川県厚木市、写真)を移転・新設し、18日から稼働を開始した。来年5月には、現在建て替え中の「大阪貨物センター」(大阪府門真市)の竣工も予定しており、従来の貨物センターにロジスティクス機能を加えるなど拠点のさらなる機能拡充を図る。

「厚木航空営業所」を1・5倍に拡大

「厚木航空営業所」は敷地面積約3000㎡、延床面積約814㎡で、ホーム高1000㎜、ホーム庇高6900㎜。圏央道「厚木南IC」から0・9㎞、東名高速道路「厚木IC」から2・6㎞と物流拠点として優れた立地性を誇る。

「旧・厚木航空営業所」は従来、神奈川県エリアにおける集配・荷捌きのハブ拠点のひとつとして運用していたが、荷量の増加に伴い、同拠点での効率的なオペレーションが難しくなったことからハブ機能を「横浜貨物センター」(東京都町田市)に集約した。しかし、建物の老朽化とさらなる荷量増加が見込まれることから、「旧・厚木航空営業所」の規模を約1・5倍に拡大。「横浜貨物センター」に集約したハブ機能も再配備した。

貨物センター機能の分散化で効率的な物流オペレーションへ

神奈川県エリアを補完するハブ拠点は「横浜貨物センター」の1ヵ所だったが、今回の「厚木航空営業所」に加え、既存の「藤沢航空営業所」(神奈川県藤沢市)にもハブ機能を分散化させる。これにより、高い品質を維持したまま、より迅速な物流オペレーションが可能となるほか、「横浜貨物センター」における業務負担の軽減やトラック待機時間が短縮されるため、CSとES両方の向上にも寄与する。
EXPRESS本部本部長の藤松正樹常務は、「ハブ機能の分散化は、輸送距離や時間、手間を削減でき、輸送品質の向上につながる。今後も、機能の分散化や再編を全国規模で進めていく」と計画を述べる。

また、ハブ機能の分散化により、台風や大雪などの自然災害などでトラックが運行停止となった場合でも、他のハブ拠点を経由して貨物を届けることが可能になる。「年末年始に日本海側で発生した大雪の影響により、道路が通行止めとなったが、他のハブ拠点を活用することで、当社の持ち味である輸送品質とスピードを発揮できた。BCPの観点でも、ハブ機能の再編は重要となる」(藤松氏)と強調する。

「大阪貨物センター」にロジ機能を追加

一方、建て替え工事中の「大阪貨物センター」は、敷地面積約1万634㎡、延床面積約1万1300㎡の地上4階建てで、来年5月に竣工する予定。総投資額約31億円を投じ、自社施設として運用する。1階は集配・荷捌きエリア2400㎡を確保し、2階と3階には約4800㎡の倉庫エリアを設ける。各種マテハン機器など入居企業に合わせたロジスティクス機能を多数導入する予定だ。

SSXは19年4月に、兵庫県社市の「社貨物センター」を移転・新設。今回の「大阪貨物センター」は、「社貨物センター」と合わせて西日本エリアにおけるハブ拠点のひとつとして運用する。建て替え期間中は業務を停止できないため、昨年8月から泉北高速鉄道が運営する「北大阪トラックターミナル」(大阪府茨木市)に仮移転している。

このほか、山形、兵庫、富山などでも拠点の移転・新設・建て替えを計画。また、大都市の自社施設である貨物センターを中心に、今後もロジ機能を配備していくという。
(2021年1月26日号)


関連記事一覧