メニュー

第一貨物が「新・山形支店」竣工、市内拠点を集約

2021.10.05

第一貨物(本社・山形県山形市、米田総一郎社長)は9月28日、山形市内で建設を進めていた「新・山形支店」を竣工し、4日から営業を開始した。市内で3ヵ所に分散していた拠点を1ヵ所に統合することで業務効率を大幅に向上させるほか、一時保管スペースを備えることで、輸配送と保管を一体化させたサービスを展開していく。

新・山形支店(写真)は東北中央自動車道・山形中央ICに程近い黄金地区に建設。敷地面積約3万9659㎡で、建物の延床面積は約2万459㎡。施設は2階建て(管理棟は3階建て)で、1階が特積み輸送のターミナルとなっており、2階に一時保管スペースを設けた。

1階のターミナル部分は完全インドア構造を採用し、降雪の多い冬季でも天候に左右されない作業環境を確保した。また、2階の一時保管スペースは空調により20℃と25℃での定温保管を実現した。施設内には貨物用エレベータ2基に加え、垂直搬送機2基も備えた。

同社の山形市内の物流拠点は、「現・山形支店」「区域センター」「山形流通ターミナル」の3ヵ所に分散しており、発送と到着機能が分離していることで業務の非効率を招いていた。今回、特積み機能(発送・到着)、区域輸送、保管機能などを新拠点に統合・集約することで、業務効率や作業環境を格段に向上させた。また、施設内には個室タイプのドライバー宿泊室なども設け、働き方改革にも配慮した設備を備えた。

「念願の施設が完成」武藤会長

28日には、新型コロナウイルスの感染防止に配慮したかたちで竣工披露式が行われ、自治体や行政、顧客などの関係者が出席した。冒頭、挨拶に立った武藤幸規会長は「これまで山形市内では、複数の店所に分かれた状態で業務を行っていたが、今回の新・山形支店の完成により、1ヵ所で集荷・配達に対応できる念願の体制が整うことになる。それによって採算の改善や品質の向上にもつながる」と展望を述べた。また、乾杯の音頭をとった米田社長は「現在、一大資産である現・東京支店を売却し、その資金で一連の大型設備投資を進めていく『東京プロジェクト』を進めており、今回の新・山形支店の建設もその一環。今年度中には新・東京支店も完成し、一大プロジェクトが完了する。コロナ禍の厳しい状況ではあるが、設備投資による効果を最大限発揮していきたい」と語った。

来賓として祝辞を述べた菓子メーカー・でん六の鈴木隆一社長は「取扱量の増加により、当社の蔵王の森物流センターが限界に来ていることもあり、新・山形支店の保管スペースを当社の出荷拠点として活用していきたい」と述べた。
(2021年10月5日号)


関連記事一覧