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新潟運輸、倉庫併設型拠点「海老名支店」を竣工

2021.08.05

新潟運輸(本社・新潟市中央区、坂井操社長)は2日、神奈川県海老名市で建設していた「海老名支店(写真)」の竣工式を行った。今月17日から稼働する。海老名支店は、既存の「厚木支店」(同厚木市)を移転新設したもの。厚木支店に比べて敷地面積を1・6倍、ホーム面積を2・7倍へ拡張したことに加え、2~3階に5600㎡超の保管庫を備えることで、ロジスティクス事業と特積み事業の相乗効果による3PL事業の拡大を図る。

海老名支店は敷地面積1万1021㎡で、3階建ての荷捌き棟は延床面積7764㎡のうち、1階プラットホームが2079㎡、2~3階の保管庫が5685㎡。同じく3階建ての事務所棟は延床面積1026㎡となっている。ホームは幅76・3m、奥行28mで北面に10t車19台、南面に4t車19台が接車可能。2~3階保管庫の幅および奥行きもホームと同じで、高さは5・5m、床耐荷重は1・5t/㎡を確保した。

トラックは集配車22台、運行車3台を配備し、敷地内には洗車場や給油スタンドを設置。庫内にはエレベータ2基を設けるとともに、最上階となる3階は柱を少なくして利便性を向上させた。さらに、2~3階保管庫には空調を完備して、従業員の働く環境にも配慮。屋根上には同社施設として初めてとなる太陽光パネルを取り付け、支店設備の電力を賄う。事務所棟は新潟運輸および荷主企業のオフィススペースに加え、12室の仮眠室やシャワールーム・ユニットバス、食堂および男女別の休憩室といった施設も充実させた。

場所は圏央道・海老名ICから10分、東名高速道路・厚木ICから15分の立地。従来の厚木支店からも相模川を挟んだ近接地となっている。東海および関西地域からの玄関口に位置することから、今秋を目途に、海老名支店で西日本からの運行便を一旦集約し、都内を始めとした関東全域の支店へ届けるなどの運用も検討していく。

一気通貫のロジスティクスサービスを提供

保管庫の3階および2階の一部は外資系サイクリングブランドの自転車および関連商材の取扱いが決まっており、海上コンテナによる入庫から保管、仕分け、出庫および路線便による店舗配送まで一気通貫のロジスティクス業務を行う。路線便のプラットホーム上層階に保管庫を設けることで荷主企業は出荷時の横持ちが不要となり、輸送コストを削減できるとともに出荷締時間の後ろ倒しも可能。輸送力も安定的に確保できる。海老名支店では今後も、同様の3PL業務の受託拡大を図る。

こうした支店併設の倉庫を活用した3PL業務は、特積み会社としても集配業務の効率化や荷主企業の囲い込みにつながる。新潟運輸としても引き続き、支店の改築・新設時には保管庫を備えてロジスティクス機能を強化する考えで、来秋開設予定の「新長岡支店」(仮称、新潟県長岡市)にも計7000㎡の保管庫を完備。同支店は長岡支店の移転新設拠点であり、1階荷捌き場約5000㎡と2階保管庫約5000㎡、平屋倉庫約2000㎡、および3階建ての事務所を建設する計画にある。

さらに、中期的には北関東エリアでも保管庫併設型の新支店の開設を検討。支店を増設することで集配ネットワークをよりきめ細かくし、未開拓エリアの内製化を含めた顧客獲得を目指す。坂井社長は「人口減を背景に国内の物流量全体が減少傾向にあるなか、新しいものを取り込んでいかなくては企業として成長できない」と指摘する。

その上で「今回、海老名支店として新たな施設を建てられたのは従業員の力のお陰であり、大変感謝している。立派な建物が完成したことで従業員にも喜んでもらえるはず。これだけ大きな支店にしたので採用も強化していきたい。お客様の生産効率向上にも寄与できる施設となっており、今後も、お客様と地域の発展に貢献していく」と話す。
(2021年8月5日号)


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