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セイノースーパーが新「堺営業所・大阪国際営業所」開設

2019.03.12

セイノースーパーエクスプレス(SSX、本社・東京都江東区、小寺康久社長)はこのほど、輸出業務を展開する大阪国際営業所と国内部門を担当する既存の堺営業所を新築移転し一体化、新たに「堺営業所・大阪国際営業所」を開設した。関西国際空港の輸出部門と泉大津出張所がひとつになった大阪国際営業所を堺営業所と同じ施設内に集約することで、同一顧客による国際・国内貨物の取り扱い業務を共有化するとともに、素早い営業スタイルを展開し、ビジネスチャンスの拡大につなげる。

作業効率の向上のほか、営業面でもメリットが

新設した堺営業所・大阪国際営業所(写真)は堺市西区に位置しており、敷地面積は1459㎡、延床面積は518㎡、荷捌き面積は379㎡の平屋建て。周辺は、古くから国際・国内輸送の需要が高い地域だったため、SSXは1994年に関西国際空港内に輸出・輸入業務を手掛ける営業所を設け、98年には現所在地の堺営業所をオープンした。さらに2016年2月には国際部門が入った泉大津出張所を設置した。

最近では、顧客によるニーズが多様化する中、同一顧客による国際・国内貨物の取扱量も増加。互いの部門の業務効率を円滑化する目的に国際・国内部門を集約し、今年2月4日に新しく堺営業所・大阪国際営業所を設置した。EXPRESS本部長の藤松正樹常務は「同一の施設に両部門が同居することで、同じ観点からの認識を高めると同時に、複合的な業務を行える」と期待を示す。

国際部門の営業機能の面では、従来の関西国際空港営業所から顧客が多く所在する大阪市内へ出向いて行っていたため、移動距離と時間が長かったが、今回の営業所新設により、迅速な営業スタイルを構築した。国際部の後藤広宣部長は「営業マンのフットワークが向上したことで、より多くの顧客を訪問し、関係を築くことができる。ビジネスチャンスが広がった」と語る。

労働環境の整備に力を入れ、雇用定着へ

SSXでは、今回の堺営業所・大阪国際営業所のほかにも、全国各地の営業所および貨物センターの新設・移設・建て替えを推し進めている。昨年夏には青森営業所を新築移転したほか、今年の4月下旬には兵庫県社町の社(やしろ)貨物センターも新築移転する予定だ。これまでの営業所などは賃貸物件が多数を占めていたが、コスト面を考慮しSSXが自社施設として運営する方針を打ち出し、着実に新設・移設・建て替えが広がっている。

また、建物の老朽化と施設の利便性、従業員の労働環境の改善も関連施設の新設・移設・建て替えを加速させている要因のひとつだという。6月上旬には建物の老朽化により、安城営業所(愛知県安城市)の大規模改修工事を計画している。EXPRESS部の山之内大志執行役員部長は「昔からある建物は、ホームと事務所が離れており、利便性があまり良くなかった。また、雇用の定着化のためにも働く場所の環境を整備することが重要だと考え、大規模な建物修繕を実施している。これからも、従業員の労働環境の改善に力を入れていく」と強調する。

このほか、同社では物流施設にマテハン機器の導入・入替や作業の簡素化、時間短縮、労力の軽減、省人化の中での効率性アップを着眼点として積極的に取り組みを行っている。車両は3月までに全車にドライブレコーダーを採用。車両買い替えの際は、女性ドライバーでも運転しやすい2tトラックのオートマ車を導入している。

同業他社と業務提携し弱点を補完

SSXの国内EXPRESS(国内航空)業は、主要都市に貨物センター(ハブ)を配置した「ハブ・アンド・スポーク方式」を採用。24ヵ所の主要センターとそこからつながる営業所による全国輸送ネットワークを駆使し、発地から800㎞圏内の翌日配達を実現する。国際輸送事業では、米国に4つの営業所を設けて、日本と米国間の航空・海上貨物の輸配送から通関まで行い、同社の7つのセグメント(EXPRESS、国際、通運、特積み、3PL、引越、区域)を活かした事業展開で顧客のニーズに応えている。

同社では今月1日から同業他社との業務提携もスタートした。藤松常務は、「以前は競い合っていたこともあるが、同業他社と協力することで、お互いの弱みを補い合いながら強みを活かしていける」とし「今後も、積極的に他企業との協業を検討している。そして、お客さまからの“信頼”と商品の“品質”という強みをさらに高めていく」と抱負を述べる。
(2019年3月12日号)


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