佐川グローバルロジが蓮田に「ECプラットフォーム」開設
佐川グローバルロジスティクス(本社・東京都品川区、森下琴康社長)は1日、蓮田営業所(埼玉県蓮田市)内に「蓮田ECプラットフォーム」を開設した。中小のEC事業者などを対象に、人員やスペース、先進的ロボティクスを活用した最新の物流サービスを提供していく。
「ECプラットフォーム」は、ロボティクスをはじめとした様々な物流設備を複数の荷主が利用できる物流センター。昨年2月に竣工した蓮田営業所の倉庫のうち、約2640㎡の専用スペースを確保し、Geek社の無人搬送車(AGV)「EVE500」32台と商品保管棚574台を導入した。商品棚が自動で作業員の元に搬送される「歩かない棚入れ・ピッキング作業」により、庫内作業の大幅な効率化と作業員の負担軽減を実現する。
棚入れ・ピッキングステーションはスペース内に計6ヵ所設置。棚入れ作業では、入荷伝票をバーコードで読み取るだけでAGVが自動で空の商品保管棚をステーションまで搬送し、作業員はモニターの指示に従って商品を棚に入れ、作業が完了する。ピッキングは棚入れと同様に自動で運ばれた商品棚から指定の商品を取り出し、ゲートアソートシステム(GAS)を活用したピッキングシステムにより、指定のオリコンに商品を投入する流れとなっている。同拠点では最大30~40社のEC物流の受託を可能としている。
運用形態は従量課金制を採用。利用者は、新規の物流拠点の立ち上げにかかる高額な初期投資費用が不要となる上、物流費の抑制につなげることが可能。また、プラットフォーム化された設備やシステムを活用することでセンター立ち上げにかかる準備期間を大幅に短縮する。
さらに、ロボティクスにより作業を標準化することで、作業ミスの軽減や物流品質の向上に貢献するほか、即日配送などの配送サービスの拡充やECやオムニチャネルなどの販売チャネルの拡大、越境ECへの対応などを可能とする。
佐川グローバルロジでは、「ロボティクスと人の融合」を掲げ、物流オペレーションの高度化を図っている。2020年4月には大型物流施設「Xフロンティア」(東京都江東区)に2ヵ所目となるECプラットフォームを開設する予定で、スペースを蓮田の3倍に拡大するとともに、AGVやGAS、ロボットストレージシステム「オートストア」、自動梱包機などの導入を予定している。
11月28日に開催した「蓮田ECプラットフォーム」の内覧会で佐川グローバルロジの林弘志取締役は、「蓮田の近隣や『Xフロンティア』内には佐川急便の配送拠点があり、これらと一体となった物流サービスが強みだ」と強調し、今後のさらなるECプラットフォームの開設については「蓮田と『Xフロンティア』の稼働状況を見極めながら、全国への展開を検討していく」と語った。
(2019年12月5日号)