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ダイセル物流が厚木営業所で定温危険物倉庫を新設

2019.05.23

ダイセル物流(本社・大阪市北区、坂本勝哉社長)は、厚木営業所(神奈川愛川町)で危険物倉庫を新設する。床面積は900㎡でうち380㎡を定温スペースとし、常温スペースについても将来的な定温化が可能。10月末の完成、11月からの稼働を予定している。ダイセルグループの高付加価値貨物を主体に取り扱い、工場・物流施設が集積する神奈川県央地区で定温管理を行える希少な危険物倉庫(完成イメージ)となる。

アセットの高稼働化、高付加価値品対応へ

厚木営業所は1979年に当時のダイセル化学工業の東京工場の閉鎖に伴い、「厚木物流センター」として開設。2007年に現在の所名となった。敷地面積は約2万㎡。普通品倉庫(ラック倉庫、3階建て倉庫計6740㎡)、危険物倉庫2棟(計1750㎡)、危険物屋外貯蔵所(2ヵ所計860㎡)で、普通品倉庫では日用品、合成樹脂、危険物倉庫では有機溶剤(ドラム・缶)、化粧品、化粧品原料などを取り扱う。

ダイセル物流の中期計画では、収益基盤の強化として「自社アセットの有効活用」と「新たな物流サービスの提供」を掲げており、その一環として厚木営業所内の危険物倉庫の増設を計画。需要が低迷し、稼働率が落ちている危険物“屋外”貯蔵所を“屋内”危険物貯蔵所(危険物倉庫)に変更することで高稼働なアセットとして活用していくこととした。

化学品の国内生産が汎用品から高付加価値品にシフトする傾向にある中、顧客ニーズに応えるため、新設する倉庫には定温機能を付加。新倉庫に危険物出荷専用のトラックバースと積込み品置き場を新設し、普通品と危険物の取り扱いエリアを分け、リフトと車両の動線の交錯を解消し、安全の確保を目指した。
構内の2ヵ所にある危険物屋外貯蔵所のうち、危険物倉庫の並びにある900㎡に危険物倉庫を建設。常温スペース(450㎡)、定温スペース(380㎡)に区分し、定温スペースについては5~15℃に温度設定できる。将来、常温スペースも定温仕様に変更できる設計。消防法危険物第4類1~4石に対応し、庇は4m確保する。

坂本社長は構内を普通品ゾーンと危険物ゾーンに区分けしたことについて、「複雑な動線はトラブルの原因になり、作業効率も低下する。リフト作業において不安全な環境をできるだけ排除したい」と説明。危険物貯蔵所の“屋内”化に関しては「物流品質の面で屋内保管のニーズが高まっている」と話す。
小島耕二事業本部長は「国内生産が減少する一方、在庫型の輸入は増加傾向で今後は、より低コストでスペースに比較的余裕のある内陸にシフトする可能性がある」と指摘。厚木営業所が立地する神奈川県内陸工業団地は圏央道相模原相川ICに隣接し、利便性がよく安定的な配送が可能で、ニーズによっては新倉庫の保税蔵置場化も検討する。
(2019年5月23日号)


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