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【宅配】年末に深刻なトラック不足の懸念

2017.11.14

年末繁忙期に、トラック不足が深刻化する懸念が高まっている。

陸運系物流会社の中間決算は軒並み増収となるなど、一般貨物を中心に国内荷動きは順調に回復している。その一方で、ドライバーの不足傾向はさらに加速しており、需給のタイト感が強まっている。これに加えて、お歳暮商戦やEC事業者の歳末セールで宅配貨物が増えれば、トラック需給はひっ迫し、地域によっては厳しい状況になることも予想される。当然、需給がタイトになれば、運賃や庸車費も高騰する。各種統計などから年末繁忙期の状況を予想してみた。

年末に向け需要の“潮位”は確実に上昇

日通総合研究所が先月末に発表した「企業物流短期動向調査(日通総研短観)」によると、7~9月の荷動き指数は「+2」で、四半期ベースで14期ぶりにプラスに転換。10~12月見通しも「+5」と改善傾向が継続するなど国内の荷動きは回復傾向にある。

こうした流れから、トラックを中心とした陸運系物流会社の中間業績はほぼ増収となった。利益面では人件費や下払い費の上昇で苦戦する企業もあるが、貨物量の回復傾向にあることは確かであり、年末繁忙期を前に需要面では“潮位”は確実に上がっている。

これに対し、供給面はどうか。厚労省が発表した9月の自動車運転者の有効求人倍率(常用、パート含む)は2・80倍となり、前年同月比0・42pt、前月比で0・05pt上昇した。倍率は今年に入ってから着実に上がり続けており、需要に供給が追い付いていない状況が見て取れる。

さらに年末繁忙期はお歳暮やEC事業者の歳末セールなどで宅配需要も増大する。大手宅配各社は昨年末に表面化した遅配などの混乱を避けるために輸送力確保に躍起になることが予想され、トラック不足がさらに加速しそうだ。

運賃はさらに上昇へ、外注費高騰の懸念も

需給がひっ迫すれば運賃や庸車コストも間違いなく上昇する。

全日本トラック協会が毎月公表している求荷求車システム「WebKIT」の成約運賃指数は、8月「118」、9月「119」となり、調査開始以来その月としては最も高い数値となった。続く10月も「118」で月としては2番目に高い数値となり、スポット運賃は上昇基調にある(2010年4月を「100」とした比較)。

日通総研の短観でもトラック運賃は上昇する見通し。10~12月見通しの一般トラックの運賃動向指数は「+22」となり、7~9月実績から8ptの上昇。また、特積みトラックの10~12月見通しは「+24」で7~9月から10ptの急上昇となる。

こうした運賃上昇は物流会社にとっては〝諸刃の剣〟でもある。荷主への適正運賃収受が進む一方で、庸車費など下払いコストの高騰を招くからだ。最大手・日本通運の竹津久雄副社長は「下期ではドライバー不足による外注費上昇がより鮮明になる」と述べ、コストアップへの懸念を指摘している。
(2017年11月14日号)


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