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アスクルが最大の物流拠点を大阪で竣工

2017.09.12

アスクル(本社・東京都江東区、岩田彰一郎社長)は7日、大阪府吹田市で同社最大の物流拠点「ASKUL Value Center 関西」(AVC関西)を竣工した。グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP、本社・東京都港区、帖佐義之社長)が開発したもので、延床面積約16万6500平米の地上4階建て。生産性を徹底追求するため、150億円超を投じて3D搬送・ピッキングロボットなど最先端の設備を導入する計画で、来年2月の全面稼働を目指す。

年間1000億円の出荷能力を実現

アスクルにとって8番目の物流拠点で、流通業における1社単独の物流施設としては関西最大級。法人向けサービス「ASKUL(アスクル)」と一般消費者向けネット通販の「LOHACO(ロハコ)」の両方の物流を担い、アスクルについては大阪・舞洲のセンターから一部機能を移管し、京都から中国地域を、ロハコは西日本全域の配送をカバーする。

これまでの設計・運用ノウハウを活かし、最先端の設備を導入。24時間365日フル稼働させることで、在庫商品の種類・在庫量の拡大を図り、年間1000億円の出荷能力を実現。なお、施設名称は当初は「ASKUL Logi PARK 関西」としていたが、4月に立ち上げた「ASKUL Value Center 日高」にならい、新センターもデジタルマーケティングとリアルマーケティングの融合を実現するプラットフォームとしての機能を念頭にAVC関西とした。

なお、2月に埼玉県三芳町で発生した同社の物流センター火災を受け、より一層の安全への配慮と地域に貢献できるセンターを目指す。具体的には、防火シャッターを確実に作動させるための設備等の増強、初期消火の実効性を高めるための訓練実施、地域消防と連携した事前消防計画の検討に取り組む。また、同施設は免震構造を採用しており、大規模災害時には地域住民の一時避難所として開放し、日用生活品の在庫を支援物資として提供。防災協定締結に向け、近隣自治体、GLPと協議していく。

施設はJR東海道線岸辺駅、阪急京都線正雀駅から徒歩圏にあり、住宅地が背後にあるため将来的に約1000人の雇用が創出される見込み。4階に厨房付きのカフェテリアを設け、温かい食事を無償提供するなど、働きやすい環境整備に注力する。

環境面では、全館LED(300ルクス)、太陽光パネルの設置、井水利用や雨水再利用などを導入し、LEEDゴールドの予備認証を取得。建設時のCO2排出配慮や庫内を快適に保つ多層式車路の3D換気システムも採用し、国土交通省のサステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)に物流施設として初めて採択された。

グループ配送、不在率は2・2%

岩田社長は「Eコマースはこれからさらに発展する。働く女性を含め生活を豊かに、明るくするとともに、高齢化社会において重たいものやかさばるものを届ける社会インフラと位置付けられる。その成長の中心となるのが、最先端に設備を導入した物流センターだ」と説明。最先端の設備導入により「24時間・365日稼働できる、Eコマースにとって最適な施設にしていきたい」と語った。

配送ドライバー不足に関し、「Eコマースでは『お届けすること』が困難になりつつある。当社はBtoCの配送の60%を自社グループで行っている。これだけ住宅や都心に近い当施設では、当社が東京、大阪で展開している新サービス『ハッピー・オン・タイム』が有効。これは1時間単位で荷物の受け取り時間を指定でき、コンピュータで配送ルートが設定されると、30分でお届けできる。一般に宅配の不在率は20%と言われるが、このサービスでは2・2%。ドライバーの負担を減らし、効率的な配送を行うため、AVC関西の機能と組み合わせ、関西の配送をカバーしていきたい」と述べた。

また、倉庫の人手不足対策としては、約1000人の正社員化の方針を示し、倉庫の火災対策に関しては、廃段ボールの回収について、圧縮して燃えにくい形で搬送する設備を導入するとともに、規定以上の消火設備の増強、電源が喪失した場合でも防火シャッターが作動するようにするとした。

Eコマース、物流共同化の可能性も

Eコマースの物流の共同化の可能性について、「各社ばらばらで在庫、配送するのは非効率。当社は社会最適を目指しており、Eコマースの進展の中で、配送、物流施設の共同化は大きな流れ」と指摘。ネスレ日本との直販物流における協業、セブン&アイ・ホールディングスとのネット通販事業の強化に関する提携を説明し、「流通同士、効率化できることは一緒にやっていく」とし、Yahoo!ショッピングとの物流共同化の可能性にも言及。「流通各社と共存共栄するためのプラットフォームになるセンター、『オープンプラットフォームbyアスクル』を物流施設においても目指す」と語った。

GLPの帖佐氏はアスクルとの長年わたるリレーションシップを振り返り、「アスクル様が入居するこのGLP吹田は、当社創業以来のフラッグシップ的な施設。1社単独で使う施設としては日本最大級となる。2003年にGLP東海で契約したのを皮切りに、アスクル様には33万平米と最大級のスペースを借りていただいている。マイルストーンとなるプロジェクトを一緒にできたことに感謝したい」と述べた。
(2017年9月12日号)


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