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ウィルポートが宅配の新プラットフォーム構築へ

2017.08.29

ウィルポート(本社・東京都港区)は狭小地域内におけるオープンプラットフォーム型の宅配ネットワーク構築に向けて、今月から独自開発による宅配受取ロッカーの設置を進める。宅配ロッカーを増設して再配達問題を解消した上で、地域の小売店からの買い物宅配荷物と大手通販会社や宅配会社の配送荷物を受託し、マッチングした軽貨物便事業者がそれらを運ぶ新たな宅配の仕組みを具体化させる。

設置を進める宅配ロッカーは、ロッカー本体の機能を最小限に絞ることで設置費用を1本15万円ほどまで抑制。「通常のデジタル式宅配ロッカーは設置に200~300万円ほどかかるが、通信不要で無電源としたことで費用を抑えることができた」とウィルポートの城山憲明取締役は説明する。荷物の受取人は配送デポに荷物が届くとメールやメッセージアプリなどで通知を受信。受取場所として自宅や指定のロッカーを選択し、ロッカーでは専用のアプリを利用して鍵を開けることができる。宅配ロッカーはウィルポートのみならず複数宅配会社の利用を想定している。

宅配ネットワークの構築に向けて、マッチングする軽貨物便ドライバーのスキルを可視化できるスキームも用意する。一般社団法人格を持つ「日本宅配推進事業協会」を立ち上げ、ドライバー一人ひとりのスキルを客観的に評価する「ドライバーカルテ」を作成し、荷主はカルテを見ながら荷物と軽貨物便ドライバーをマッチングできるようにする。カルテには元請運送会社による講習の受講履歴や荷物の受取人によるマナーや笑顔などの評価も記載。配送車両にはオプテックス社の安全運転支援サービス端末「セーフメーター」を置き、急加速・急減速数などもカルテに掲載する。

ウィルポートがめざすのは、各地域に「物流ポイント」としての配送デポを置き、域内の買い物宅配荷物や通販荷物の配達を引き受ける、新しい宅配の仕組み。特性の異なる荷物を組み合わせて物量の波動を吸収。軽貨物事業者の安定収入を確保しながら、商店での買い物を支援することで地域の活性化にも貢献する。一方、事業化のネックとなるのが再配達問題で、低コストで設置できる宅配ロッカーを開発したもの。

同社の経営陣はこれまでにも、広島市を中心に地域のスーパーマーケットや商店の買い物宅配を担う「ブラウニーさん」事業を展開し、登録消費者数は全国で14万人に達している。また、大手GMSの買い物宅配業務も一部地域で受託。他方で、ウィルポートでは現在、米大手通販会社の1~2時間配達便の配送も担当し、取扱量は同サービス全体の8割に上るなど、着々と事業の基盤を整備している。

こうした中で最も重視するのは、「多重下請け構造の解消」と城山氏は話す。荷物とマッチングした運送会社は自社の社員か専属の事業主にしか配達業務を任せられないこととし、「ドライバーがもうかる仕組みにすることが、この事業の継続には何より大切」と強調する。城山氏自身も軽貨物便の個人ドライバーとしての経験を持ち、その経験が活かされる。「今、世間ではドライバー不足だとしきりに言われるがそれは嘘。軽貨物便業界には25万人のドライバーがいるが、彼らと荷物がマッチングできていないことが一番の問題」と指摘する。

なお、同事業は29~30日に開催されるロジスティクスソリューションフェアに出展する。
(2017年8月29日号)


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