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OCSが辰巳に「東京スカイゲート」を開設

2017.08.08

ANAグループでエクスプレスサービスを初めとした国際物流を担うOCS(本社・東京都港区、福田哲郎社長)は首都圏における新物流拠点として「OCS東京スカイゲート」を東京都江東区辰巳に開設し、9月1日から供用を開設する。土地取得や庫内設備を含めた総投資額は約100億円。既存の新木場ゲートウェイと本社を置く芝浦事業所の機能を集約するとともに省人化と作業のスピードアップを実現し、サービスレベルの向上にもつなげる。

OCS東京スカイゲートは敷地面積6645平米、延床面積2万277平米の8階建て。1階は保税対応の入出荷およびULDの搭降載エリアとし、同階でベルトコンベアに載せられた貨物は2階部分で伝票などの読み取りや計量器、X線検査装置によるチェックが行われる。3階には倉庫エリアと事務所を設けて流通加工や保管などに対応。4~6階は倉庫スペースとし、7、8階にも事務エリアやリフレッシュルームなどを用意した。

1階部分では各種機能を強化することで構内処理能力を従来比で約3倍向上させる。具体的にはULDのトラック積卸時に床の高さを調整する「シザーズリフター」を従来の1台から3台へ増強するとともに、ULDのハンドリングエリアも従来スペースから倍増。輸入貨物をULDからブレークダウンする入荷ステーションも2台分から6台分へ拡充し、輸出貨物の出荷ステーションも2台分から5台分へと広げた。集配車両が接車する荷捌き車バースも16台分を確保した。

2階部分ではOCS独自のオペレーションノウハウに基づく省人化システムを構築。1階からベルトコンベアで流されてきた貨物はバーコードリーダーで伝票番号を読み取り、データを自社通関システムやトラッキング、NACCSと自動連携して出荷の許可・未許可を判別。これらの作業は従来、目視とハンディターミナルによる作業で行われており、大幅な作業効率化と品質向上が実現する。また、計量機やX線検査装置もコンベアと連動してスピーディに貨物の寸法・重量計測および不審物チェックを行う。

3~6階部分の倉庫スペースも従来施設から拡充し、貨物の一時保管および流通加工に対応。これまでもアパレル・ファッション商品や緊急性の高い機械部品、ANAグループの航空機部品などを扱ってきたが、越境ECビジネスにおける流通加工ニーズも高まっているとして、さらなる新規顧客の獲得も図る。

一連の設備で作業員数は従来比で約2割削減できる試算にあり、全体での工数も約35~40%圧縮できる見込み。さらに、物量に応じた作業員の確保も不要となり、コストを固定費で吸収できるようになる。また、貨物搬入からトラック搭載までの作業リードタイムは、輸入貨物で従来の約30分から9分へ、輸出貨物は40分弱から12分へそれぞれ短縮。これにより、同施設のカバーエリアである東京14区と神奈川県、埼玉県の一部地域では配達時間の前倒しと集荷時間の後ろ倒しが可能になる。

今月3日に開かれたお披露目式ではANAホールディングスの片野坂真哉社長が「新施設の開設で取扱量は輸入で3倍、輸出は1・5倍に拡大していく。とくにANAが貨物事業戦略で注目する越境ECモデルを支えるのがOCSであり、新施設が力を発揮する」と期待を寄せた。

また、福田社長も「新施設でOCSのサービス品質と翌日午前配達、当日レイト集荷という3つの強みにより磨きをかけ、“アジアを代表するインテグレーター”という目標を達成したい」と抱負を延べた。

OCSでは2009年にANAグループ傘下に入り、12年以降はオペレーション改革と称して国内の営業所・サービスセンターの統廃合を進めながら、成田・羽田の両空港の有効活用を検討してきた。(2017年8月8日号)


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