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物流費用の明確化と多様化を=経済成長フォーラム

2017.06.20

日本生産性本部が事務局を務める「経済成長フォーラム」は14日、「サービス産業の生産性革命のための提言~流通・運輸サービス業を中心に」をまとめ、宅配便等の事業者に対して、物流費用の明確化と多様化を求めた。配送料金ゼロなどの“セット料金”はなくしていくことが望ましいと指摘。価格内容の明確化により消費者に選択肢を与え、事業者、消費者双方が納得できる適正な価格体系にすることが持続的なサービスの提供につながると提言している。

我が国ではGDPに占めるサービス産業の割合は約4分の3で、とりわけ流通・運輸サービス業は約2割を占め、製造業全体のシェアに匹敵。公務員を除く就業者に占めるサービス業の比率は約7割で、うち流通・運輸サービスだけで全体の4分の1を占める。このため、流通・運輸サービス業の生産性向上は日本経済の成長にとって重要とされている。

米国の流通・運輸サービスの労働生産性は日本に比べてはるかに高い。同本部の試算では、卸売・小売業、運輸業ともに日本の労働生産性は米国の4割程度で、日本の流通・運輸サービスの付加価値シェアは19・0%と米国(14・2%)より高いだけに、生産性の水準引き上げには同サービスの改革が極めて重要となっている。

サービス産業の付加価値が低い要因のひとつに“セット料金”が挙げられる。通販で「配送料無料」として配送料が商品価格に組み込まれてしまえば、消費者は運輸コストを認識できない。その結果、運輸業者が価格を上げたいと考えても、消費者の理解は得られにくい。

事業者、消費者の双方が納得できる適正な価格の実現に向け、事業者は「価格のアンバンドリング(価格の内訳の明確化)」を進め、物流費用の明確化と多様化を図るべきで、それにより、消費者に対して、「安い配送料でロッカーで受け取る」か「高い配送料を払ってでも自宅で受け取る」かなどの選択肢を拡大できる。

このほか流通・運輸サービスでは、ICTの本格活用で生産性を上げる余地が大きく、商品の稼働状況に関する情報を収集・分析することで、業務プロセスが大きく改善する。製造業企業と連携しバーコード、二次元バーコードを活用したトレーサビリティ強化や、ICタグの活用で最適なサプライチェーン構築が進められる。

(2017年6月20日号)


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