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【物流施策】政府が「大綱」推進プログラム決定

2018.02.06

国交省と経産省は1月31日、昨年7月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2017年度~2020年度)」に基づく具体的施策を取りまとめた「総合物流施策推進プログラム」を決定し、公表した。

同プログラムは、「大綱」に示された6つの視点に基づき、今後実施すべき施策を盛り込んだ。関係省庁が連携し、99の施策を推進し、「強い物流」の実現を目指す。今回のプログラムでは、新たに実施する30施策に加えて、前「大綱」に基づく総合物流施策推進プログラムの施策から実施内容を拡充した38施策と、継続して実施する31施策に取り組む。

各施策については、それぞれ目標・指標を設定し、達成に向けて各年度に実施すべき取り組みを工程表にしたがって実施していく。年1回開催する官民協働のフォローアップ会議で実施状況を検証し、その結果を公表するとともに、必要に応じて見直しも図るなど、PDCA方式により進捗管理を実施することとした。

前回の「大綱(2013~2017)」の施策推進プログラムでは9%の施策が未達成だったため、今回のプログラムでは指標によるKPI管理手法を導入し、100%達成を図る。

物流生産性を2割引き上げ

プログラムは、物流事業の労働生産性を全産業平均並みに引き上げ、20年度までに2割程度の向上を目指す。「大綱」で示された「繋がる」「見える」「支える」「備える」「革命的に変化する」「育てる」の6視点に基づく施策を推進する内容とした。

トラック運送関連では、積載率を40%から50%へ引き上げることをはじめ、契約書面化率60%達成、宅配便の再配達削減(17年の約16%から13%まで抑制)、女性ドライバー数を2万人から4万人へ拡大などで指標を設けて取り組みを推進。その他にも適正運賃・料金の別建て収受推進や、後続車無人による隊列走行、ダブル連結トラックの導入・普及、中継輸送の普及・拡大の取り組みが目立った。

また、倉庫業関連では、物流総合効率化法に基づく輸送網の集約事業の認定件数を150件まで引き上げる。
環境面では、モーダルシフトのさらなる推進を図る。鉄道モーダルシフトでは16年度の貨物輸送量197億トンキロから221億トンキロ(12%増)へ、海運では340億トンキロから367億トンキロ(8%増)へ増加させる取り組みを推進。海運モーダルシフト推進の施策として、荷主・運送事業者が共通して活用できるモーダルシフト運航情報検索システムの早期構築を進める。

災害時に備えた持続可能な物流を支えるインフラ整備も重要な柱で、ラストマイルを含む円滑な支援物資輸送体制の構築や、コンビニなどの指定公共機関での緊急物資のスムーズな輸送・供給への取り組みを推進する。

国交省総合政策局物流政策課の英浩道課長は、同日行った会見で「これまで策定された総合物流施策大綱では物流産業の構造改革を主眼に、効率化による物流コスト低減を目指す狙いがあった。今回の大綱では、生産性向上と持続可能な物流の実現を図っている」と述べた。
(2018年2月6日号)


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