【宅配・EC物流】年末繁忙期「大きな混乱はない」=日本郵政・長門社長会見
日本郵政(本社・東京都千代田区)の長門正貢社長は21日に記者会見し、年末繁忙期におけるゆうパックの配達状況について「eコマース市場の活況や、同業他社の影響もあって例年になく多くの荷物を扱っている。12月は平常月の5割増しの荷物を扱うが、その中で18日現在の速報ベースで前年比2割増となっている。一部で若干の配達遅れなども起きてはいるが、大きな問題にはなっていない。これから年賀状の差出しが本格化するので、さらに気を引き締めていく」と語った。
懸念された労働力の確保については「アルバイトの採用だけでなく、人材派遣会社にも声を掛け、必要数をほぼ確保できた」と述べた。一部の遅配については4日に新大阪局で約1万個、11日に新東京局で約3500個の荷物が運行トラックの出発に間に合わず、それぞれ配達に半日程度の遅れが出たことを明らかにしたが、「概ね大きなご迷惑をかける状況にはなっていない」と強調。
荷物量が大きく伸びている理由については「ひとつはeコマースが市場全体の量を押し上げている。もう一点は、詳細な分析はできていないが、同業他社から荷物の一部が流れていることが考えられる。ゆうパックの値上げは来年3月だが、ライバル会社はすでに値上げを実施している」と述べた。
また、人件費が利益を圧迫する懸念については「当然、追加的な労賃は発生しているが、個数増加による増収効果のほうが大きく、売上げ増加がコスト増を凌駕できている。人件費倒れという状況は起きていない」と強調した。
(2017年12月26日号)