メニュー

【物流会社決算】日通/18年3月期2Qは過去最高の売上高・利益、航空輸出が貢献

2017.11.07

日本通運(本社・東京都港区、齋藤充社長)の2018年3月期第2四半期の連結業績は増収増益だった。日本セグメントの北米向け自動車関連・アジア向け電子部品の航空輸出の大幅な伸長と、海外各極が堅調に推移したことが増収増益に寄与した。売上高・営業利益・経常利益・四半期純利益のいずれも第2四半期累計では過去最高となった。

通期予想は利益を上方修正

売上高は前年同期比5・2%増の9561億3100万円、営業利益は31・8%増の322億3200万円、経常利益は22・4%増の344億8200万円、純利益は17・9%増の215億7000万円。

10月31日の決算発表会見に出席した竹津久雄副社長は「国内の荷動きは力強さを欠くものの、海外の各セグメントでは航空を中心とした輸送需要が堅調に推移していることが増収増益につながった」と説明。好調な業績を受け、通期予想の営業利益、経常利益、当期純利益を、7月31日に発表した数値より上方修正すると発表した。通期の連結売上高は1兆9400億円(4・1%増)と据え置き、営業利益は690億円(20・1%増)、経常利益は720億円(12・8%増)、当期純利益が430億円(18・0%増)とし、営業利益・経常利益を20億円、純利益も10億円それぞれ上方修正した。
セグメント別業績は、主力のロジスティクス分野では全セグメントが増収増益となり、好調な航空フォワーディングの取り扱いが増収増益に大きく寄与した。

日本セグメントは北米向け自動車関連、アジア向け電子部品の航空輸出取り扱いが大きく伸長した。上半期の航空輸出の増収額は97億2600万円(28・5%増)と大幅に増加した。内訳は北米向けが42・2%増の35億8000円増(42・2%増)だった。
米州は北米での自動車関連の取り扱いが堅調に推移したことで増収増益となった。欧州は倉庫業務や航空・海運輸出入の取り扱いの伸長に加え、スポット輸送の取り扱いがあり大幅な増益となった。東アジアは利用運送費の上昇があったものの、航空・海運の取り扱いが好調で、倉庫配送業務も堅調だった。南アジア・オセアニアは倉庫業務と航空・海運の取り扱いが好調に推移した。

物流サポート部門では、日通商事が販売する石油・LPガスの原油価格上昇に伴う単価上昇と、自動車関連を中心とした輸出梱包事業の取扱量増加により増収増益となった。
今期の国際関連事業売上高の全体に占める割合は37・1%となった。フォワーディングの好調を受け、前年同期実績の34・7%より上昇した。

外注費上昇にどう備えるか

竹津副社長は2Qの業績について「ニーズを着実に取り込めた結果だと考えている」と評価しながらも、「下期では人手不足・ドライバー不足による外注費上昇がより一層鮮明になる。対策として顧客へのコスト転嫁とさらなる作業効率化を進めていく」と表明した。
同社では適正運賃収受に向けた取り組みで、今期すでに単体で16億3100万円、連結で17億4000万円の増収効果があった。会見に出席した林田直也取締役執行役員(財務部担当)は「昨年度通期の料金改定効果が25億円だったことと比較すれば、お客様の理解を得てきている感触だ」と述べた。その上で、日本単体での売上高が4・3%増加したものの、傭車費などの外注費が4・4%増加していることを指摘し、「一部では逆ザヤになる可能性もあるため、運賃・料金改定の交渉は今後も重要となる」と語った。

その他、数字の取り方が組織改正以前とは異なっているため比較できないとしつつも、「日本セグメントの営業利益率が3・4%となり前年同期の2・9%より0・5ポイント上昇したことから、以前の国内複合事業の目標利益率3%には達していると思われる」と述べた。
(2017年11月7日号)


関連記事一覧