【トラック・待機問題】ニチレイロジがトラック事前予約システムを開始
ニチレイロジグループ本社(本社・東京都中央区、松田浩社長)は26日から、トラック待機問題の緩和・解消を図るため「トラック事前予約システム」の運用を開始する。グループ会社であるロジスティクス・ネットワークの杉戸物流センター(埼玉県北葛飾郡)と大阪埠頭物流センター(大阪府大阪市)で稼働し、順次、導入拠点を増やす計画にある。
今回の「トラック事前予約システム」ではまず、ニチレイロジグループの物流センター側が倉庫内の作業に合わせて時間帯別の予約可能枠を設定。荷主や運送会社といったトラック側はこの予約可能枠を確認し、希望時間を予約するとともに、送り状や運送依頼状などの積荷明細を事前にセンター側へ送付する。センター側では荷主からの予定明細とトラックからの積荷明細を予約時間前に照合して作業を準備。予約時間に到着したトラックは、受付後にトラックバースへ接車して入出庫作業を開始する。
時間帯別の入出庫可能枠に対してトラック側が入出庫の希望時間を予約できるため、順番確保のための待機が不要になる。また、事前にトラック側からセンター側へ積荷明細を送付することで、従来はトラック到着後に行っていた運送会社およびオーダーの照合をトラック到着前に行えるようになり、トラックの到着からバースへの誘導もスムーズになる。
トラック待機問題は低温物流業界でも大きな課題となっており、原因のひとつには、物流センターが到着順に入出庫対応を行っていることが挙げられた。そのため、トラック側では営業時間前に物流センターへ到着し、順番確保のために待機する状況が発生してきた。センター側でも、限られたバースに必要な作業員を配置してはいるが、朝などのトラックが集中する時間帯では接車台数が入出庫作業の処理能力を超え、トラックの待機を発生させてしまっていた。さらに、物流センターの寄託者とトラックを手配する運送荷主が異なる場合あり、センター側では、何時にどこの運送会社のトラックが何を積卸しするのかが把握できず、事前の調整が困難になっていた。
ニチレイロジグループでは「低温物流業界で先駆的な取り組みとして、荷主・運送会社との連携のもと、トラック事前予約システムの活用を通じて待機問題緩和に寄与していきたい」としている。
(2017年10月19日号)