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【トラック輸送】働き方改革連絡会議、トラックの時短実現へ

2017.08.31

政府は28日、トラック、バス、タクシーなど自動車運送業の働き方改革を推進するための関係省庁連絡会議を総理官邸で開催した。2回目となる今回は、改正労働基準法施行の5年後に罰則付きの時間外労働の上限規制を導入するまでの猶予期間に、必要な制度の見直しや支援措置を行うための行動計画を、来年春頃までに策定することを決めた。

また、来年度予算概算要求や制度の見直しなど可能なものは、行動計画策定を待たず、迅速に取り組みを開始することとした。国土交通省、警察庁、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省など各省庁が直ちに取り組む施策として63施策の検討・具体化を進めることとした。

同会議で議長を務める野上浩太郎内閣官房副長官は「長時間労働抑制のための環境整備には荷主の協力を含め、関係省庁連携による全政府的支援が必要だ。今回の会議で施策リストが出そろったので、次のステップとして速やかな具体化・実行が重要だ」と強調した。

また、議長代理を務める牧野たかお国土交通副大臣は、「自動車運送事業は、我が国の産業活動や国民生活に不可欠となる重要な産業だが、長時間労働などを背景にドライバー不足が深刻な課題となっている」と説明し、「将来の就業者を確保するためにも労働条件の改善が喫緊の課題であり、そのために荷主・元請の協力により、下請取引を含む取引環境の適正化が重要となる。今回取りまとめられた多様な施策を着実に推進することと、今後策定される行動計画に充実した施策が盛り込まれることを期待する」と表明した。

行動計画策定前に直ちに取り組む施策では、長時間労働是正に向けた環境整備を図るため、生産性向上をはじめ、働きやすい環境を基盤とする多様な人材の確保・育成や、不適切な取引条件の改善や運賃・料金の適正収受など取引環境の適正化を推進することに重点を置いた。

また、長時間労働是正のためにはインセンティブと抑止力の強化を必要とする考えから、働き方改革実現に向けたアクションプランの策定を9月から要請する。また、職場環境の良好な「ホワイト経営」の企業が取引先や求職者に「見える」仕組みや優遇策を来年度中に実施することとした。さらに、来年度から、過労防止関連違反への行政処分を強化することとした。
(2017年8月31日号)


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