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百貨店協会、開店前納品を是正し納品リードタイム緩和

2023.07.04

日本百貨店協会(村田善郎会長)は6月23日、百貨店業界における「2024年問題」への対応として、百貨店、納品代行事業者、アパレル・ファッション関連事業者の総意で、まずはアパレル・ファッション関連商品の開店前納品の是正および納品リードタイムの緩和に向けた取り組みを始めていることを明らかにした。

これまで百貨店では、店舗の開店時間に合わせて品ぞろえをするために、検品が必要な商品については、物流事業者が深夜に検品作業を行い、早朝にドライバーが集荷することで、開店前までに商品を納品することが慣例化していた。この開店前納品を是正するため、検品作業を日中に移行し、納品時間を開店後にずらすことで、物流事業者の深夜業務のうち、検品作業を削減し、トラックドライバーの労働時間短縮も図っていく。

納品リードタイム緩和では、「ピストン運行」と「集約運行」を実施。従来、納品量が多い店舗については、開店時間に間に合わせるために複数のトラック(ドライバー)で納品を行っているが、1台のトラックによるピストン運行に切り替えることで、ドライバー不足の解消に努めていく。納品量の少ない店舗については、低積載率で複数回の納品を行っているが、納品回数を減便して集約し、積載効率の向上を進めてドライバー不足の解消を図る。

昨年度から、先行する百貨店9社では、納品代行事業者、アパレル・ファッション関連事業者とともに具体的な検討を進めており、一部の店舗では実証実験を開始。日本百貨店協会では、6月に全国の加盟百貨店向けの説明会を実施し、検討内容と実証結果の共有を図り、各加盟店では、トラックドライバーの労働時間規制を厳格化する来年4月の改正労基法施行に向けた準備に入っている。なお、今後は、雑貨等その他の商材への拡大も視野に入れている。
(2023年7月4日号)


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