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飲料メーカーなど5社、外装ダンボール破損レベル判定統一へ

2023.06.27

キリンビバレッジ(本社・東京都中野区、吉村透留社長)、コカ・コーラ ボトラーズジャパン(本社・東京都港区、カリン・ドラガン社長CEO)、サントリー食品インターナショナル(本社・東京都港区、小野真紀子社長)、セブン‐イレブン・ジャパン(本社・東京都千代田区、永松文彦社長)、富士通(本社・東京都港区、時田隆仁社長)の5社は、富士通が開発したAIシステムを活用し、商品外装ダンボールの破損レベル判定の統一化に向けた共同実証実験を21日から本格的に開始した。製造・流通で協業し、食品ロス削減および物流課題の改善に貢献するのが狙い。

現在、清涼飲料業界や流通業界では、商品の輸送・保管中に輸送資材であるダンボールに軽微な擦れやしわ、膨れなどが見られた場合、中身品質に関わらず、ダンボールの外観状態で納品可否の判断を各社の倉庫ごとに目視で行っている。この納品可否の判断は、飲料メーカー・流通業ともに共通の基準がなく、判断にばらつきが生じている。これにより、中身品質に問題のない商品の返品・廃棄が発生し、食品ロスが課題となっている。

今回の共同実証実験では、納品可否の判断を、「飲料配送研究会」の基準を使用した富士通のAIシステムにより客観的に判定する仕組みを飲料メーカー・流通業が共有し、製造・配送・販売を担う各社で破損レベル判定の統一化を目指す。これにより、軽微な外装破損商品を流通させることで、商品廃棄を抑制し、食品ロスを削減するとともに、荷受時の検品時間や倉庫での返品作業を軽減することで、清涼飲料業界や流通業界が抱える物流課題の改善にも貢献する。

対象商品は清涼飲料水で、実施期間は21日から2024年9月末までを予定し、各社の複数倉庫で実施する。AIシステムを用いた実証実験の実施フローでは、まず、商品の入荷検品時または出荷前や保管時に倉庫担当者がスマートフォンで破損箇所を撮影し、撮影した画像をデータベースと照合。AIが判定・推奨した入荷・出荷可否に基づき、倉庫担当者が入荷・出荷の可否を判断する。

今回、第1ステップとして5社で実証実験を開始するが、7月以降、多くの製造・配送・販売に関わる企業にこの取り組みへの参画を呼び掛け、実証実験の範囲を拡大していくことで、AI精度の向上と判定基準の業界標準化を実現し、食品ロスの削減および物流課題の改善を目指す。
(2023年6月27日号)


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