メニュー

化学品物流改善へ、業界横断組織スタート=経産省/国交省

2023.06.20

経済産業省と国土交通省は13日、2023年度フィジカルインターネット実現会議を開催し、同会議の傘下に化学品物流の改善に取り組むワーキンググループ「化学品WG」を設置した。同WGは今年度中にアクションプランを策定し、サプライチェーン全体での改善に取り組む。また、今回の会議では優れた物流改善事例として物流事業者、メーカー、小売の3件の取り組みが報告された。NEXT Logistics Japan(NLJ)はトラック輸送の効率化について発表し、花王は環境優良型のサプライチェーン構築の取り組みを説明。九州地区のスーパーなど小売7社と運送3社で構成する九州物流研究会は共同物流の取り組みを報告した。

化学品WGに多数のメーカーが参画

化学品WGは三菱ケミカル、三井化学、東ソー、東レの4社が共同事務局を務め、化学品メーカーと物流企業、大学など6月9日時点で44企業・1大学が参画。日本化学工業協会、石油化学工業協会、経産省、国交省がオブザーバーとして加わる。WGの傘下には「生産性向上」「標準化・DX推進」「共同化推進」の3分科会を設置し、「商慣行の改革・ホワイト物流」「安全」「標準化」「DX」「モーダルシフト」「中継輸送」「共同物流」などを具体的に検討し、アクションプランにまとめる。その上でサプライチェーン全体の関係者に呼びかけ、輸送モードや輸送エリア別に企業間連携の枠組み構築を推進する。これまでも化学品業界では企業間連携の取り組みが行われているが、アクションプランの策定により物流改善に弾みをつける考え。

NLJなどの優れた事例紹介も

NLJはデジタル技術による車両・貨物・ドライバーの最適な組み合わせによる配車・運行の効率化や荷役の自動化・機械化、水素燃料電池(FC)トラック活用などのトラック輸送の生産性向上とドライバーの省力化を図る取り組みを紹介。花王は持続可能な物流の実現に向けたデジタル化による工場~卸~小売の流通体系の最適化など同社が目指す「コネクテッドロジスティクス」の取り組みの概要を説明。イオン九州やトライアルなど九州地区のスーパーを中心とした九州物流研究会は競合企業が物流分野を協調領域と定め、共同物流を実施することで生産性向上などにつなげた取り組みを紹介した。
(2023年6月20日号)


関連記事一覧