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三菱ケミカルG/三井化学、化学品の共同物流へ検討開始

2023.02.02

三菱ケミカルグループ(本社・東京都千代田区、ジョンマーク・ギルソン社長)と三井化学(本社・東京都港区、橋本修社長)は1月27日、化学品物流の標準化・効率化に向けた共同検討を開始したと発表した。早期に着手可能なテーマは2022年度内から段階的に実行し、同様の課題を抱える化学業界の物流分野で企業の枠を超えて横断的な取り組みをリードしていく考え。これらの取り組みを通して、持続可能かつ強靭な化学品物流の実現を目指す。
近年、新型コロナウイルス感染症の拡大や自然災害の多発を背景に、安定したサプライチェーン構築の重要性が広く認識されるようになっている。こうしたサプライチェーンを支える物流業界は、小口貨物を中心とする消費財物流が増加する一方で、ドライバーや船員の高齢化、人手不足を背景に、逼迫した状況が続く。さらに、物流の「2024年問題」も加わり、将来における物流の輸送・保管能力不足は、両社の事業運営にとって、極めて重要な課題のひとつとなっている。
22年度内から検討、段階的に実行していくテーマとして、中京エリア内および他エリア向けの共同輸送に取り組む。両社の事業所・工場が立地する中京エリアで出荷製品を集約し、同エリア内および他エリアへの輸送を共同化。また、輸送ネットワークを相互に活用する。主に中小口貨物について、三菱ケミカルグループの西日本~関東エリアの輸送ネットワークと、三井化学の東北エリアの輸送ネットワークを相互に活用。内航船の共同利用では、ケミカルタンカー(液体化学品輸送船)の貸し借りおよび積み合せを行い、積載率向上、BCPの確立を目指す。
輸送ルート・マッチングツールの活用による共同物流案件の拡大を図り、貨物と車両の最適な組み合せ(マッチング)を両社での試験運用から開始し、将来的には多数企業とのマッチングへ展開する。共同物流の推進に不可欠となる、化学業界における物流の標準化・情報基盤整備に関しても、両社がともに参画しているSIP地域物流ネットワーク化推進協議会の活動を通じて、国、自治体および業界団体等と連携しながら取り組む予定。
三菱ケミカルグループの福田信夫代表執行役エグゼクティブバイスプレジデントチーフサプライチェーンオフィサーは、「足下で予測されている物流危機は安定供給を阻害する要因となりえ、個社レベルで対応できるものではない。特殊な形態、制約条件の多い化学業界の物流領域においては、『競争』だけではなく『協調』による課題解決が求められている」とコメント。
三井化学の三瓶雅夫常務執行役員CDOデジタルトランスフォーメーション推進本部長は、「事業運営上の重要な機能である物流の諸課題解決を、化学会社各社が個々に取り組むことには限界が伴う。この状況下、三菱ケミカルグループと当社とで日本の競争力強化に資するべく、物流分野で共同化・共有化を進めることは、有意義な取り組みであると考える」としている。
(2023年2月2日号)


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