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江崎グリコら19社、製・配・物流が連携しパレット標準化推進

2022.05.26

菓子メーカー、卸、物流事業者、パレットレンタル事業者で構成する「菓子標準パレット促進協議会」はこのほど、菓子類のパレット利用の普及に向けた「菓子物流(スナック・米菓系)におけるパレット標準化ガイドライン」を発表した。ガイドラインでは、①パレットの平面サイズ②パレットの荷姿の高さ③パレットの材質・仕様――の3点を定めた。

同協議会には、メーカーから江崎グリコ、亀田製菓、カルビー、栗山製菓、湖池屋、日清シスコ、ブルボン、ぼんちの8社、卸からコンフェックス、山星屋、三菱食品の3社が参加。物流事業者からトランコム、丸紅ロジスティクス、合通カシロジ、ダイセーロジ、新潟輸送の5社、パレットレンタル事業者から三甲リース、日本パレットレンタル(JPR)、ユーピーアール(UPR)の3社がメンバーとなっている。協議会はトランコムと丸紅ロジスティクスが共同代表を務め、国土交通省、農林水産省、経済産業省、日清食品ホールディングスがオブザーバーで加わった。同協議会は将来的には一貫パレチゼーションの実現を目指しており、前段階としてパレットの標準化に取り組んでいる。

「11型」を推奨、荷姿の高さは「1300㎜」以下に

平面サイズは11型(1100×1100㎜)を推奨サイズとした。12型(1200×1000㎜)は推奨サイズから除外しないものの、将来の一貫パレチゼーション実現に向け、今後の検討課題とした。

パレット荷姿の高さは、トラックの荷室に2段積みできるよう、パレット自体の高さを含めて1段1300㎜以下とした。これは大型トラックの荷室が高床車で高さ2400㎜程度、低床車で2700~2800㎜で、2段積みの高さを2600㎜以下とするため。なお、1300㎜は上限値で、この範囲内で各社の実情に合わせて設定する。

パレットの材質はプラスチック製を推奨した。厚みや重量の仕様は今後検討していく。JIS規格のプールパレット「T11型」の厚みが144㎜となっていることを参考にする。

特にレンタルパレットの利用を考慮する意見が多いことから、具体的な運用方法などを議論する。その際には複数のレンタルパレット会社で標準パレットを利用できるよう利用条件や共同回収のスキームを検討することとした。

商慣習の見直しが今後の検討課題に

協議会では今後、商慣習の見直しも議論する。発注単位の拡大をはじめ、翌日納品から翌々日納品への転換、賞味期限に関する1/3ルールの見直しと1/2ルールへの徹底などを図る。また、予約システム等を活用した納品スケジュールの適正化や伝票の電子化・検品レスなど効率化や、パレット積載効率を高めるため外装サイズの標準化を検討する方針。その際には、メーカー・卸だけでなく、小売業界の参加を求める。

なお、同協議会は国土交通省の2021年度モーダルシフト等推進事業で計画策定経費補助の対象に採択されている(既報)。
(2022年5月26日号)


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