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使用パレットの7割弱が「T11」=物流連

2022.04.26

日本物流団体連合会(物流連、池田潤一郎会長)は19日、物流標準化調査小委員会(座長=二村真理子・東京女子大学教授)が実施したパレット利用の実態調査について中間報告をHP上に公表した。それによると、回答企業の50%がメーカーや生産者の施設など発荷主の物流施設でパレットを利用していたが、パレット化されている貨物は、入庫時が平均60%、出庫時は平均51%だった。使用されるパレットは「T11型」が全体の70%弱を占め、それ以外の14型、12型、9型の間には大差がなかった。

一貫パレチゼーションが進まない理由として「自社パレットの流出・紛失防止」が最多で、次いで「トラック積載量の確保」が多く、「発注・輸送ロットの小ささ」が並んだ。物流連事務局は、パレット利用によるコストや効率性について「発着荷主や物流事業者間ではトレードオフの関係となる場合もあることから問題解決は容易ではない」と指摘。一方、ビール・飲料やレンタルパレット業界で実施されている共同利用・共同回収などの循環利用を他業種にも展開することが重要だとした。

家電、日用品のパレット化は喫緊の課題

業種・品目によって手荷役によってドライバーにかかる負荷の深刻度について認識に差がみられた。「問題が顕在化していない(レベル0)」と認識しているのはコーヒー生豆、冷蔵・冷凍食品など。「荷主がパレット化に取り組んでいる段階(レベル1)」としたのが化学製品、加工食品(粉物)、建材など。パレット化が進んでおらず「既に深刻度が高い(レベル2)」としたのは家電や日用品などだった。家電では荷主によってパレット化とばら積みの2極化がみられた。日用品では長距離輸送や鉄道利用輸送ではパレット化が強く望まれていた。

パレットの紛失・流出についてのヒアリング結果では、メーカーのパレットの流出率は冷凍食品・建材で5~10%みられた。事業者が所有する保管用パレットでも紛失・流出があり、北海道・九州など遠距離の場合のパレット回収が課題となっていた。

物流連では調査結果を踏まえ、今年度はパレットサイズの標準化を推進するとともに、共同利用・共同回収など循環型利用の効果を検証する考え。
(2022年4月26日号)


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