セイノーHD、西濃運輸が主要幹線3社を統合へ
セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市、田口義隆社長)は1日、完全子会社である西濃運輸、関東西濃運輸、濃飛西濃運輸、東海西濃運輸の4社を2023年4月1日付で統合することを決めた。西濃運輸を存続会社として幹線輸送を担う主要会社を集約・統合することで、幹線ダイヤを再編し、運行効率の全体最適化を加速する。同社では今回の統合について「限界なくお客様の商品を運ぶこと(SEINO LIMIT)ができ、働き手からも選ばれる『物流プラットフォーム』の構築を目指していく幕開けになる」としている。
統合は、西濃運輸を存続会社、関東西濃、濃飛西濃、東海西濃の3社を消滅会社とする吸収合併方式を採用する。直近(2021年3月期)の各社の売上高は、西濃が2689億円、関東西濃が350億6000万円、濃飛西濃が267億5700万円、東海西濃が187億9400万円で、4社合計で約3500億円規模となる。
セイノーグループの特積みネットワークにおける幹線運行業務は、グループ各社をつなぐ幹線を拡大することにより成長を図ってきた結果、幹線ダイヤは各社の個別最適を優先したものとなっていた。今回の統合はこうした状況を踏まえ、西濃運輸との接続性が高く、産業・人口集積が高いエリアをカバーする3社と統合することで、効率的かつ柔軟性のある物流プラットフォームの構築に向け、幹線ダイヤの再編など幹線運行の全体最適化を進める。なお、セイノーグループ全体での幹線便数は全国で5900便あり、このうち今回統合した4社の便数は合計で4810便(西濃3780便、関東西濃540便、濃飛西濃270便、東海西濃220便)で全体の81・5%に達する。
今後は、2024年問題なども見据え、グループ幹線運行の司令塔機能を一元化していくほか、幹線の荷役分離、最適な拠点配置などを検討していく。また、近い将来における自動運転や隊列走行なども視野に入れつつ、これまで以上にモーダルシフトも進めていくことで、セイノーグループが目指すO・P・P(オープン・パブリック・プラットフォーム)の実現を進めていく。
(2022年4月7日号)