【ズームアップ】「鉄道コンテナお試し輸送」好調=通運連盟
全国通運連盟(渡邉健二会長)が実施している「鉄道コンテナお試し輸送キャンペーン」が好調に推移している。9月末時点での上半期の利用実績が、申請件数で前年度比約3・8倍、コンテナ申請個数で約3・6倍になっており、すでに前年度トータルでの実績を件数、個数ともに上回った。通運連盟では「新型コロナの影響で、前年度に会員事業者の営業活動が思うにまかせなかった反動増の要素もあるが、2024年からのトラックドライバーの労働時間規制の強化を前に、鉄道へのモーダルシフトを前向きに検討する企業が増えているのではないか」と推測する。
輸送費用の8割を助成する制度
同キャンペーンは、鉄道コンテナ輸送の利用拡大を目的に、輸送にかかる費用(コンテナ発送料、鉄道運賃、到着料)の8割を通運連盟が負担する制度。
これまでは、新たに鉄道輸送を利用したい場合や積み込み方法をパレット化したい場合、31ftコンテナなど私有大型コンテナのラウンドユース、養生資材の変更など輸送品質改善に向けた試験輸送が助成対象だったが、今年度からは現在の利用区間以外に新たな区間を拡大したい場合についても申請できるようになった。
今年度は9月末時点で申請件数が374件、コンテナ個数が424個に達しており、前年度の同じ時点での実績(申請99件、個数119個)から飛躍的に増加した。項目別に見ると、「新規獲得」が207件、235個と大幅に伸びている。また、新たな助成対象に加わった「区間拡大」についても130件、151個と利用が順調に増えており、実績全体を押し上げる要素になっている。
「2024年問題」に向け、助成制度を有効活用
物流業界では、2024年4月からトラックドライバーの労働時間規制が強化される、いわゆる「2024年問題」が始まることに伴い、幹線輸送を中心に鉄道へのモーダルシフトのニーズがさらに高まることが予想される。通運連盟では、「鉄道コンテナ輸送を検討している企業の皆様には、キャンペーンによる助成制度を有効に活用してほしい」としている。
(2021年10月19日号)