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新「物流大綱」を閣議決定=政府

2021.06.17

政府は15日、今後5年間のわが国の物流政策の指針となる「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」を閣議決定した。新たな大綱では、新型コロナ感染症による社会全般にわたる大きな変化に伴って物流が直面する多様な課題の解決を図る。計画期間は25年度までとした。

基本方針には「物流DXと物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流)」「労働力不足対策と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流)」「強靱で持続可能な物流ネットワークの構築(強くてしなやかな物流)」の3つを掲げ、ウィズコロナやポストコロナに対応した社会的ニーズに応える。方針に基づき強力な推進を図るため、施策ごとに数値目標としてKPIを定め、進捗状況を管理し、フォローを的確に実施する会議体を設立する。

新大綱では、コロナ感染症の拡大をきっかけに、現場で従事する物流関係者が感染リスクに晒されながらも活動を継続し、国民生活や産業を支えるエッセンシャルサービスとして貢献を果たす重要性の認識が国民全体に共有されたと強調。ポストコロナの社会では感染症対応を踏まえた〝新しい生活様式〟の定着とともに、物流の社会インフラ性は継続すると指摘。その上で、感染症流行による社会環境の変化により、物流分野では進捗が遅れていたデジタル化や機械化・自動化を加速することが喫緊の課題であり、業界の構造改革を加速度的に促進させることを方針とした。

「簡素で滑らかな物流」では、物流DXの推進や標準化によりサプライチェーン全体の徹底した最適化を図る。デジタル化や機械化・自動化を通じた既存のオペレーションの改善や働き方改革を実現する。物流の標準化をはじめ、物流・商流データ基盤の構築、高度物流人材の育成・確保を推進する。

「担い手にやさしい物流」では、24年4月からのトラックドライバーへの時間外労働規制適用などを見据えた労働環境の整備に取り組む。また、内航海運の活用を広げるほか、輸配送共同化、倉庫業でのシェアリング、宅配の再配達削減、ラストワンマイル配送の円滑化などを推進。手荷役が多い農産品・食品の流通合理化や、過疎地での貨客混載とドローン物流を促進する。さらに、女性・高齢者・外国人材の活躍できる職場環境を整備し、物流の社会的意義について広報を強化する。

「強くてしなやかな物流」では、感染症や大規模災害など有事でも機能し、経済成長を支える物流ネットワークの構築を図る。重要物流道路の機能強化や自動運転・隊列走行を実現する道路整備の実施や、海上交通ネットワークの維持や港湾のAIターミナル化、国際戦略港湾政策を推進。環境面では、各輸送モードの低炭素化・脱炭素化を促進し、モーダルシフトのさらなる促進や荷主の連携による物流効率化を促進する。
(2021年6月17日号)


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