キユーソー流通、インドネシアの低温物流会社買収
キユーソー流通システム(KRS、本社・東京都調布市、西尾秀明社長)は8月27日、インドネシアの低温物流会社KIAT ANANDAグループ4社を子会社化すると発表した。同日開催の取締役会で決議したもの。4社株式の取得価額の合計は9040億ルピア(約70億円)。翌28日付で同社との契約を締結し、払込期限は9月30日となる。
KIAT ANANDAグループは、インドネシアに5ヵ所の冷凍・冷蔵庫と車両590台を保有して、食品メーカーや外食産業など現地企業のみならず外資企業を主要顧客を持ちながら、倉庫・輸配送・フォワーディングなど幅広い事業を展開している。同グループで倉庫事業を展開するPT Kiat Ananda Cold Storage(KACS)と PT Ananda Solusindo(AS)、国内輸送事業会社の PT Manggala Kiat Ananda(MKA)、フォワーディング・船舶貨物事業会社の PT Trans Kontainer Solusindo(TKS)の4社を子会社化。4社の第三者割当増資をKRSが引き受け、各社株式の51・0%を取得する。
KRSでは、KIAT ANANDAグループ4社を傘下に迎えることでインドネシアに物流拠点と輸送網を確保し、成長が期待されるインドネシア市場における高品位な低温物流サービスの提供を目指す。さらに、KIAT ANANDAグループの営業力・現場力とKRSグループが培ってきた物流機能を結合することで、物流ネットワークの構築を加速させ、「インドネシアの豊かな食生活に貢献していく」としている。
同社では、第6次中期経営計画(19年11月期~21年11月期)の基本方針の一つである「新領域の創出による成長」に向け、海外における事業領域拡大を成長ドライバーのひとつとして位置づけていた。その中で、東南アジア地域で市場規模が大きいインドネシアを有望な市場として進出機会を検討。2・6億人の人口を擁する同国では中間所得層の増加とともに生活水準が高まり、消費者需要は量から質に変化しはじめているという。また、食品市場においても食の多様化が進み、冷凍食品やチルド食品の需要が伸びていることから、厳格な温度管理が求められる低温物流の拡大が見込まれると判断した。
(2020年9月3日号)