山村ロジ、新中計でM&Aや新規獲得を積極化
日本山村硝子グループで物流の外販事業を担う山村ロジスティクス(本社・兵庫県尼崎市、阪口明社長)は、今期からスタートした中期3ヵ年経営計画において、M&Aの積極的な展開と新規事業の開拓で、売上高を前期実績の106億円から200億円へ倍増させる方針であり、物流事業の拡大でグループに貢献する。
中期経営計画では、輸配送網の強化に向けて運送会社のM&Aを計画。主力事業である低温物流サービスに対応できる食品輸送会社などを対象としていく。まずは関西地域で検討するとともに、関東地域でも案件を模索する。同社の車両体制は関東で75台、関西で15台となっていることから関西地域のネットワーク拡充を最優先に位置付けるもの。自社での車両購入も進めるが、M&Aによって、車両・ドライバーとあわせて管理者も確保したい考え。
また、中期経営計画においては新規事業の獲得も推進する。とくに、工場内での加工・成形業務をはじめとする付帯作業を受託する「オペレーションサービス」の拡販を図り、こうした業務の新規案件獲得に向けた営業活動や、同分野におけるM&Aも視野に入れていく。
その上で、今期は新規業務の受託により3拠点の営業所開設を控える。今月は兵庫県尼崎市でアパレルの営業所を稼働するほか、10月をメドに名古屋北部エリアで、日用雑貨品や食品の倉庫保管・庫内作業・輸配送を担う、5000~6600㎡規模の物流センターを新たに立ち上げる計画。さらに、11月には大阪府南港エリアで酒類の3PLを行う2300~2600㎡規模の物流センターを開設する見通しにある。
阪口社長は「3PLを新規に受託するにあたっては、ある程度の自社車両が必要であり、積極的なM&Aで足回りの強化につなげたい。親会社の日本山村硝子も全面的にバックアップしており、主力のガラスびん事業が厳しい経営環境にある中、物流でグループ事業をカバーしていきたい」と話す。その上で、長期ビジョンについて「10年後には300億円企業を目指したい」と意欲を示す。
(2020年8月25日号)