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センコーGHD/21年3月期 増収減益予想、物量減がマイナス要因に

2020.08.20

センコーグループホールディングス(本社・東京都江東区、福田泰久社長)は12日、2021年3月期第1四半期決算説明会を開催し、新型コロナウイルスの影響により未定としていた通期連結業績予想を明らかにした。通期予想は売上高5850億円(前期比2・6%増)、営業利益202億円(2・2%減)、経常利益200億円(3・6%減)、純利益114億円(5・6%減)と増収減益を見込んだ。電話会議方式で実施された決算説明会で、福田社長は「通期予想では経済活動が徐々に回復していく状況を想定している」と説明した。

増収分については、売上拡大効果が267億円(上期115億円、下期152億円)、料金・価格改定が36億円、非連結子会社の連結化(44億円)とM&A(118億円)を合わせた連結効果162億円など合計465億円の収入増を想定。一方で新型コロナの影響を受けた物量減少(249億円)を含む既存物量の減少により総額315億円のマイナスが生じると予想し、差し引き150億円の増収の見通し。

利益面では、売上拡大効果や料金・価格改定を中心に、コスト改善・生産性向上、経費節減、燃料単価影響、連結効果などにより合計114億2000万円の利益押し上げにつながるとした一方、既存物量の減少や傭車(作業賃含む)コストの増加、ベア影響などで合計118億8000万円の減益要因を想定する。
物流事業の売上高予想を分野別にみると、食品物流、ファッション物流、住宅物流、ケミカル物流は減収を予測。一方、チェーンストア物流などは増収を見込んだ。物流事業全体では前期比1・0%増の3967億円の見通し。

今期以降は拠点拡充を推進、軽貨物事業の強化も

今後の営業方針では新型コロナの影響が徐々に収束に向かうとの予測に立ち、下期に向けて拡販を強化していく。
福田社長はM&Aを含めた投資計画について「中期経営計画(17~21年度)に基づいて着実に進捗している」とした上で、売上高拡大と併せて必要な投資を実施することで「中計最終年度の売上高目標7000億円は達成可能」とする認識を示した。
今期の事業計画では稼働中の尼崎PDセンター(兵庫県尼崎市)、ランテック門司支店(福岡県北九州市)や先月開設した立川物流センター(東京都立川市)に加え、来年2月には加須第2PDセンター(埼玉県加須市)が稼働する。省人化・省力化にも取り組み、尼崎PDセンターや東京ベイファッションアリーナ(千葉県市川市)では自動倉庫型ピッキングシステムを導入し、生産性向上を図っている。

来年度以降は4拠点を新設する計画。岐阜羽島PDセンター(21年4月稼働、延床面積3万513㎡、岐阜県羽島市)、泉南PDセンター(22年3月稼働、3万2689㎡、大阪府泉南市)、湾岸弥冨PDセンター(22年4月稼働、4万4739㎡、愛知県弥富市)、岩槻物流新拠点(22年4月稼働、2万7041㎡、埼玉県さいたま市)を開設する予定。

18年から関東・関西エリアを中心に開始した軽貨物運送事業は現在、車両数882台(19年度末現在)でグループでの水平展開を図る。20年度末に1280台に増強し、22年度末には3000台体制とする。現在、調剤薬局、チェーンストア店舗向け配送や施工現場向け住宅資材配送などBtoB分野において約600台が稼働中で、会員制食材や日用品、家電・家具・自転車配などの配送業務では約200台を運用。EC宅配分野では約60台が稼働しているが、今後は特定エリアでの宅配業務を拡大していく。先月には子会社2社がラストワンマイル協同組合に加盟し、埼玉地区・千葉地区での配送を実施する。

1Q業績はコロナによる物量減が大きく影響

21年3月期1Q業績は売上高1333億3000万円(前年同期比2・8%減)、営業利益42億3100万円(15・3%減)、経常利益41億9700万円(15・8%減)、四半期純利益25億2600万円(19・6%減)となった。新型コロナの影響を中心に既存物量が減少したことで減収減益となった。物流事業はファッション、冷凍冷蔵、ケミカル物流で大幅な物量減となり、売上高915億9300万円(5・0%減)、営業利益37億5100万円(12・6%減)となった。
(2020年8月20日号)


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