JR貨物、3月のコンテナ実績は6・5%減
JR貨物(本社・東京都渋谷区、真貝康一社長)の3月の輸送実績は、コンテナが前年同月比6・5%減の187万5000t、車扱が2・5%減の75万6000tとなり、合計で5・4%減の263万1000tとなった。
コンテナは、北海道からの玉葱の発送が好調だった農産品・青果物以外は全品目で前年実績を下回った。紙・パルプは国内需要減少により大幅な減送が続いているほか、食料工業品は清涼飲料水の現地生産化の影響で低調に推移。化学工業品、化学薬品も需要低迷が続いている。家電・情報機器は消費増税前の駆け込み需要の反動減に加え、暖冬による暖房器具の需要減もあり大幅なマイナスとなった。一方、積合せ貨物は前年実績を下回ったものの、1・1%減に踏みとどまった。
車扱は、セメントや車両の輸送が順調だったものの、太宗を占める石油の需要が減少したことで全体として減少となった。
4月からコロナで自動車部品などが大幅減に
一方、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は4月に入って徐々に顕在化している。13日までのコンテナ輸送実績(速報)では、災害補正・同曜日配列補正後の数値で前年同月比10・3%減となっている。とくに自動車部品、家電・情報機器の落ち込みが顕著で、それぞれ29・0%減、24・0%減(ともに補正値)。「今後、影響の拡大や長期化による経済減速で、輸送量が大幅に減少することが懸念される」(同社)としている。
なお、JR貨物は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく指定公共機関となっており、緊急物資の輸送要請を受けた場合は最優先で取り組む。また、現時点で減便や遅れなどの影響はないとしている。
19年度輸送実績は、反動増でプラスに
2019年度の輸送実績は、コンテナが2・4%増の2076万8000t、車扱が2・0%減の877万4000tとなり、合計で1・1%増の2954万3000tとなった。19年度は台風や景気低迷の影響があったものの、前期(18年度)に西日本豪雨による長期輸送障害があったことから、前年実績を上回った。コンテナ品目別では、食料工業品、紙・パルプ、家電・情報機器の3品目を除いて前年実績を上回った。
(2020年4月21日号)