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楽天市場で送料無料ラインを導入=楽天

2020.02.04

楽天(本社・東京都世田谷区、三木谷浩史会長兼社長)は1月29日に都内で開催された「楽天新春カンファレンス2020」で、楽天市場に出店する全店舗を対象とした「共通の送料無料ライン」の導入を、3月18日付けで実施すると改めて表明した。同カンファレンスで講演した三木谷社長(写真)は「(送料無料ラインの導入)を何が何でも皆さんと一緒に成功させたい」と、出席した楽天市場出店者らに訴えた。

3月18日から原則3980円以上は送料無料

「共通の送料無料ライン」は、ユーザーが1店舗で税込3980円以上の商品を購入した場合、出店店舗は別途送料を徴収せず、送料無料で購入者あてに商品を提供するもの。沖縄・離島等が宛先の場合は、税込9800円以上を送料無料ラインとし、酒類や冷凍・チルドなど一部商品については対象外とする。

三木谷氏は説明の中で、「NPS(ネットプロモータースコア=顧客ロイヤルティを測る指標)でアマゾンに負けている理由は送料だ」と指摘。一部の出店者による分かりづらい最終支払い金額の表示により、ユーザーからの不満が高いことに懸念を示した。

楽天の調査によると、楽天市場で「送料が原因で購入を諦めたことがある」と回答したユーザーは約7割。共通の送料無料ラインを導入することで、楽天市場で商品購入を検討する際の価格比較などが容易になり、より多くのユーザーが楽天市場を利用するとの認識を示した。

三木谷氏は「結局、店舗を運営する皆さんのところで買わなくなったら意味がない」と強調し、「海外の市場では送料無料化にすることで流通総額が30~40%上がっている。(楽天市場でも送料無料化を実施することで)十数%は皆さんの流通総額が上がると確信している」と店舗運営者らに理解を求めた。

約2000億円を投じ、自社物流を整備

楽天は今後、楽天市場の出店店舗を対象とした物流サービスの整備に向けて、約2000億円を投じる。三木谷氏は、自社配送サービスの「Rakuten EXRESS」の人口カバー率を現在の6割から将来的には8割以上とする方針を示した。また、2021年までに、楽天市場の出店店舗のうち約5割が、流通業務の中で同社の物流サービスを利用するよう取り組みを推進する。

商品の保管から出荷までを手掛ける「楽天スーパーロジスティクス」では、年内に物流拠点を2ヵ所増設するとともに、冷蔵・冷凍や大型などの商品に対応できる施設も開設していく。
(2020年2月4日号)


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