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冷凍食品の共同PF物流モデルが始動=ニチレイロジ

2019.12.17

ニチレイロジグループ本社(本社・東京都中央区、梅澤一彦社長)は来年度から、関西地域で、冷凍食品の保管と配送を共同化する“新たな共同プラットフォーム物流モデル”を立ち上げる。10日に開かれたニチレイグループの年末社長会見で梅澤社長が明らかにした。同事業モデルはニチレイロジの中期経営計画(2019~21年度)で成長戦略のひとつに掲げる“新3PL”を具現化したもの。拠点には、来年4月に増設棟が完成予定にある、日水物流の「大阪舞洲物流センター」(大阪市此花区)を活用する。

実際の運用はニチレイロジグループのロジスティクス・ネットワーク(ロジネット)が担当し、まずは日水物流と協業する形で冷食メーカー向けの共同プラットフォーム物流を構築する。ロジネットがメーカーとの間に立ち、輸配送や物流拠点の最適運用を提案。情報流も輸配送と倉庫で一元化することで、荷主企業がワンストップで管理できるようにし、倉庫アセットも、日水物流など同業他社の施設を柔軟に運用できるスキームとする。
ニチレイロジグループではこれまでも、中四国地域などで共同物流事業を展開してきたが、「配送のみを共同化していた」と梅澤氏。冷凍食品業界では冷食市場が成長する一方で、ドライバーの拘束時間問題などを背景に在庫の分散化ニーズが高まっており、輸配送のみならず、各地の倉庫で複数荷主の庫内業務も共同化し、その帳合いも一元化することで荷主企業の物流効率化と持続可能な物流体制の実現に寄与する。

地域の保管拠点は、ロジネットが“荷主から見たプラットフォーマー”となって、他社グループの施設を含めて活用し、提供できる保管キャパシティと選択肢を拡大する。荷主企業との立ち位置も、従来は荷主企業と物流会社との業務委託形式だったが、今回の事業モデルでは参加企業とのプロジェクト形式を想定。ロジネットが窓口となり、荷主同士の情報や課題を可視化・共有化して個社では解決できない課題への対応を可能にして全体最適につなげる。

来年度、関西地区で事業を立ち上げた後、当面は同エリアでの安定稼働に注力するが、運用が軌道に乗った上で他地域への水平展開も見込み、「共同化を望むお客様の期待に広く応えていきたい」と梅澤氏は事業拡大への意欲を示した。
(2019年12月17日号)


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